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ピンチをアドリブで乗り越える技 40/100(即興術08) -5Steps 4/4

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


5ステップス 〜その四〜

先週に引き続き、即興の基本となる「5ステップス」をご紹介します。

1. Environment
2. Relationship
3. Conflict
4. Escalation

ついに最後、
5. Conclusion
です。

ピンチに陥った時、落とし所をどう見つけるか、という話です。

「結末」

いやぁ、実はこれが一番難しいかもしれません。

「5ステップス」の理論的には、結末には2通りがあります。
前回ご紹介した、

ズレが解消され、フラットになった状態
ズレが大きくなりすぎて、崩壊した状態

このどちらかに行き着くと、即興のシーンとしては終わりであると考えます。

でもこの連載では後者はあまり意味がありませんね。では、ピンチに陥った時に役立つ、このResolutionとは何でしょうか?

ずばり、引き際の見極めかた

だと思います。

大原則として、
「絶好調は長引かせない」
というのがあります。

私たちのインプロの公演では、シーンに参加していない他のメンバーが、手を叩いてシーンを終わらせて、次のシーンへと繋ぎます。

つまり、シーンを終わらせるときは、自分が次のシーンを始めることになるので、その構想がある程度ないといけません。
それでも、アイディアが浮かぶのを待つよりも、いま進行しているシーンを、良いところで終わらせることを優先します。

傾聴して、空間を読み、立ち上がる度胸が求められる瞬間です。(5,16,22/100参照)

シーンがうまく進んでいると、どうしても先が見たくなります。上手くシーンを進行しているメンバーへの信頼もあり、もう少し続けさせたいと、思ってしまいます。

しかし、絶好調の時は、決して続きません。

下降を始める前を見極めて止める。これが重要なのですが、
今が頂点なのか、それとも登り坂の途中なのか、
それを読むのが非常に難しいです。

一つのポイントとしては、最頂点を見逃して、下降し始めるところで止めるよりも、
まだ上昇の伸びしろのあるうちに、早めに止めてしまう方が良いです。

迷ったら、止める。

満腹になってしまうと、満足してしまうじゃないですか?
ぜひ、勇気を出して、腹八分目ぐらいで退室して下さい。

ここまで、インプロの基礎となる「5ステップス」と、大前提の「Yes, and」の法則をご紹介してきました。

アドリブでシーンを進めていくときに必須なツールですが、さまざまなシーンで応用が効くかと思います。

  1. Environment -空間を捉える視野を持つ

  2. Relationship -関係性に突破口を見出す

  3. Conflict -ズレに気づく感度を養う

  4. Escalation -エスカレートさせない、ズレの調整

  5. Resolution -引き際を見極める


さて、この連載も40回まで来ました。

ひとえに皆様のご支援のおかげで続けることができています。
そして来週末に、100回連載の半分である50回に到達します!

それを記念して、オンラインのQ&Aを開催してみようと思います。
わたしの文章力の乏しさから、上手くご説明できていない部分も、多々あるかと存じますので、この機会に何なりとお尋ね下さい。

また、この連載は「出し渋っていてもしょうがない!」と思い、シェアコミュニティーの意識で、無料公開しておりますが、Q&Aには3000円の参加費を頂戴したく存じます。

今後の展開へ向けての投げ銭と思い、ご支援を賜われますれば幸いです。


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