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何者にもなれなかった者の駄文4

 どうにも最近、仕事中に昔懐かしいメロディーを口ずさむ事が多くなった。
 また何故に仕事中にと思われるかもしれないが、この春から僕の持ち場で一緒に担当されていたアルバイトの方が晴れて正社員として採用され、事実上のワンオペ状態になった事が大きいのかもしれない。それまで業務におけるピークの時間帯が過ぎた後に訪れる緩やかな時間を、孤独のグルメや進撃の巨人などといったテレビ番組の話題で潰していた相手がいなくなってしまったのだ。そりゃ今まで動かし続けていた口元も「動かしたいのに~」と疼きが抑えられなくなって、無意識の内に歌を口ずさむようになっても仕方ない事なんだと思う。

 しかし、それにしてもだ。またどうして、口ずさむメロディーが揃いも揃って懐メロなのだ。
 YouTubeやPrimemusicの履歴を見返してみても、最近よく聴いているのはOfficial髭男dismだったり星野源だったり、或いはcoldrainやNOISEMAKER、Memphis May Fireといったバンドの音源ばかり。
 ところが口ずさむのはWANDSやB'z、Surfaceにポルノグラフィティと、どれも自分が幼稚園の頃から小学生の頃に聴いていた曲ばかりだ。
 そこから口ずさむ曲をリストアップしてみる。

・WANDSの「時の扉」や「世界が終わるまでは」やB'zの「ミエナイチカラ」……この辺は、恐らく昔見ていたアニメ番組に影響されたのかもしれない。ちょうどこの頃はゴールデンタイムにアニメ番組が流れている事が当たり前で、「地獄先生ぬ~べ~」や「SLAM DUNK」といったジャンプアニメを当時リアルタイムで視聴していたからなのかなと思う。加えて、当時は毎年夏に兵庫の祖父母宅まで帰省していたのが、その道のりを新幹線ではなく父親の車で帰っていたのもある。自宅のある東京から兵庫まで約600キロ、帰省ラッシュにハマれば半日はゆうに超える地獄のような行程の間、車の中で掛け続けていたカセットテープから流れていたのがWANDSの曲だったり、自分がよく見ていたアニメの曲だった。

・Surfaceの「なぁなぁ」「なにしてんの」……「なにしてんの」は親が視ていたドラマの番組で流れていた上に自分が視ていた音楽番組でも流れていたので、自然とメロディーが身体に染み付いてしまっているのだと思う。そして「なぁなぁ」も調べてみると某音楽番組のタイアップだったそうだが、その番組が視ていた記憶がない。思い返すと小学校も高学年になったこの頃、早起きしてランニングする習慣があって(その理由についてはまた後日にでも)、その時間帯に何故か放送されていたプロレスのダイジェスト映像(だったハズ)とともに流れていた曲の一つがこの曲だった。わかりやすいタイトルとサビ中に出てくる「なぁなぁ」のフレーズがとても聞き取りやすかったのが子供心ながら深く印象に残っていたから、未だに記憶にこびりついているのかもしれない。

・ポルノグラフィティの「ミュージック・アワー」「サウダージ」……この頃は自分も中学生に上り、進学祝いで買ってもらったMDコンポで近くのレンタルショップでレンタルしたアルバムやCDを借りてはダビングして、お小遣いを溜めて買ったMDプレーヤーに入れては、部活の試合前のウォーミングアップ中に聞いていたりしていた。今でもたまに聞いてはいるのだが、口ずさんでしまう程深く印象に残っているのがこの2曲らしい。正直理由はわからない。でも「ミュージック・アワー」のラジオ番組の体裁で紡がれる歌詞が、この頃からラジオ番組を聴くようになった自分に重なるものがあったのかなぁなどと思ったり。

……とまあ、ざっと書き連ねてみたものの、結果として自分自身の過去を振り返るような事になってしまった。
 僕自身、あまり過去は振り返り過ぎないように心がけている。何故なら良い事も悪い事も、起きてしまった過去を引きずっていては、前を振り向けないと考えているから。
 だけど、たまには。この瑣末なnoteに適当に過去を書き殴ってみるのも、アリなのかもしれない。
 こうやって、自分の原点や初心の頃を見つめ直す為にも。

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