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オーケストラの舞台に滝のような水が降り注ぎ楽器が水浸しになった件

火曜日は音楽関連のお話しを。

去る9/24(土)、静岡県裾野市の市民文化センター大ホールで突如天井のスプリンクラーが作動し、舞台上のオーケストラの楽器が水浸しになるという事故が発生しました。

発生はゲネプロ(当日直前のリハーサル=最後の通し稽古)を終えて楽団員がいったん楽屋に引き揚げたタイミング。
舞台の方からゴォ~ッという音が聴こえるのを察知して数名の楽団員が舞台に駆け付けましたが、彼らの目の前で無残にも楽器や楽譜が滝のような水を被ったといいます。

初報のNHKニュースでは、『市の所有する音響や照明機器など1億5000万円あまりの被害』というお役所側の報道のみ。
実際には、楽器の被害総額は数億円規模にのぼり、また楽器を守ろうと飛んできた5人が転倒してケガを負っています。

裾野市としては、事故当日の点検ではスプリンクラーに異常や故障がなかったとして、人為的要因も視野に入れて警察に相談していると説明。
被害を受けたオーケストラ『シンフォニエッタ静岡』は、何処からも具体的な話しがなく『泣き寝入り』となっているようです。

直前に中止せざるを得なくなった公演のチラシ

地方拠点とはいえ、プロのオーケストラです。
メンバー個々が何処かで大きな賞を取っているような一流音楽家の集まりであり、彼らが使用する楽器の価値は一般人の常識を遥かに超えています。

水を被った楽器、特に木製楽器は修理できるのか?
どれだけ現代の木工修復技術が優秀でも、形状だけ元に戻ったとしても、その音色や響きは絶対に復旧できません。
塗装面を濡らした汗を拭き取るのとは訳が違い、滝のような水が数分間も降り注いだのですから、本体がふやけてしまい乾燥させても歪みやヒビや狂いは免れません。

ましてや、スプリンクラーの水は何年も入替えなく、往々にして腐敗して異臭がするそうです。

私も(と挟むことすら烏滸おこがましい…)市場価格10万円以上のアコースティックギターを複数本、所有していますが、彼らの愛器は高級輸入車1台分どころか戸建て1軒分とも言われており、混乱・落胆ぶりは想像を絶するレベルかと察します。

当然ながら、主催者やホールはなんらかの保険を掛けているとは思いますが、大きな問題が1つ。
保険会社としてはスプリンクラー作動の原因が故障なのか人為ミスなのか、そこを確定せずには保険金を支払えないという状況。
裾野市としてお詫びを示すことはできても、故障を証明するか、誰かの所為と確定できない限り、楽団員が経済的に救われることはないようです。

実に後味の悪い事故(事件?)です。

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