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世代を超えて『ネクタイピン』の役割と位置を再確認しておきたい件

水曜日はオヤジのファッションについて語っています。

ネクタイピン…
と聞いてピン!とくるのは50歳以上のオジサンと、20歳代の男性フレッシャー層らしいです。
その中間の年代は若い頃から『オフィスカジュアル』が定着しており、ネクタイそのものから解放された時代でもあります。

50歳代後半~60歳代前半は、20歳代でDC(Designer's & Character's)ブランドを経験しており、細めのネクタイをナチュラルに垂らすスタイルが主流で、それに似合わないクラシカルなネクタイピンはその存在感がどんどん薄くなっていました。
就職祝いに親戚からネクタイピンを頂くことはあっても、冠婚葬祭用に1つあれば充分といった状況でもありました。ネクタイピンタイピンとかタイクリップ、或いはタイバーとも言いますが、そういった言葉すら知らない男性が増えています。

20歳代の若者の間では意外にもネクタイピンの着用率が上がっているのですが、それは大手紳士服量販店がスーツ販売に際して『就活7点セット』や『フレッシャーズ9点セット』といったセット物を用意し、そこにワイシャツ・ネクタイ・ビジネスバッグやビジネスシューズに加えてネクタイピンをセットしていることも一因かと思います。

『はるやま』フレッシャーズ&就活応援フェアチラシ

またスーツ1着が5万円から3万円、さらには2万円弱と低価格化するなか、ネクタイピンやカフスなど周辺附属品一式を用意して同時に提案することで、少しでも購買単価アップを図ろうという苦肉の策でもあります。

それともう1つ、若手俳優やお笑い芸人が、シュッとしたスーツ姿でTV出演する機会が増え、その時にスタイリストネクタイピンポケットチーフをフィーチャーしてきたという背景もあるかと思っています。個人的には、朝のTV番組『スッキリ』の加藤浩次のスーツ姿に非常に好感を持っています。
昭和の末期から平成にかけて、カチっとし過ぎてダサいという印象で若者に避けられてきたネクタイピンやポケットチーフが、ここへきてちょっとスタイリッシュなアイテムとして見直されているということです。

加藤浩次(52歳)のタイピンは同世代としてはかなり上に…

ただし、ここ最近のネクタイピンの着用位置は、昭和の頃の位置とは少し違っています。
昭和時代は、シャツの第5第6ボタン辺り。ベルトバックルの少し上の位置で留めていましたが、令和のネクタイピンはシャツの第3ボタン辺りと、オジサンから見れば随分と上の位置で留めているようです。

この違いは、時代によるものというよりは、ネクタイピンの役割を考える必要があります。

かつてネクタイピンの主要な役割は、前かがみになった時にネクタイがぶらぶらするのを防ぐことでした。
ネクタイピンで留めなかった為に、高価なブランドネクタイをシュレッダーに吸い込まれたり、パーティーの席で乾杯のあと着席した時にスープ皿にネクタイが浸ってポタージュを半分吸い取ったりといった悲劇が起こっています(この2つの悲劇は筆者の実体験です…)
こうした悲劇は、ネクタイの下1/3辺りをクリップすることで未然に防げるわけです。

ネクタイピンのもう1つの、というか最近重視されている役割が、ネクタイの結び目に立体感を与えること

先ほどのDC時代には、ナローカラーといって襟の開きが狭いシャツに細身のネクタイを締めたので、その結び目は小さめのシングルノットが主流でした。DCブームの後も、BD(ボタンダウン)シャツ等ではあまりに大きな結び目は野暮とされてきました。
ところが2000年代からはワイドスプレッドカラー等、多少大きめの結び目が似合うシャツも増えてきます。となるとセミウインザーノットないしはウインザーノット等、やや存在感のある結び方が復活し、その結び目をちょっと上向きに固定したりして、美しく見せる手法が流行しました。
その為にネクタイピンを上から1/3の位置で留めて、結び目に立体感を与えるわけです。

上記のように、その目的の違いによってネクタイピンの位置が変わってくるわけではありますが、もう1つ、ネクタイピンの位置を決める要素があります。
それが、ジャケット(上着)の着用有無

ジャケットを着てボタンを留めている時は、ネクタイが垂れる心配はありませんので、ネクタイピンはVゾーンから見える位置に留めて結び目を固定する。
ベストやジレを着用する場合も、これに倣います。
一方でジャケットを着ない時は、ネクタイをぶらぶらさせないという基本に戻ってネクタイピンは下の方で留める
このルールでネクタイピンの位置を頻繁に調整できるようになれば、お洒落へのこだわりも大したものだと思うのですが、いかがでしょうか(笑)

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