関西独特の言葉がいつまでも使い継がれることをひたすら祈る件
土日はノンジャンルでうだうだ語ります。
先週14(土)に『関西の大学では3年生ではなく3回生と呼ぶ件』を書き、昨日20(金)は『京都のたぬきが独特な件』を書かせていただきましたが、その辺の事を調べていると、『ランキングー!』というサイトの『関東と関西で意味が違う意外な言葉ランキング(2021/10/19)』という記事に行き当たりました。
ランキングー!というからにはなんらかの調査のランキングが発表されている訳ですが((株)CMサイトによるインターネットリサーチ。10~60代の男女12,574名が回答)、その1位が『飲食店での「たぬき」が揚げ玉入りのうどん・そばか油揚げ入りのそばか』という事でした。
という訳で、ついでですので2位~10位を振り返りながら、多少の解説とツッコミを入れていこうかと思います。
10位;「からい」
辛い(関東)/しょっぱい(関西)
辛い(関東)と書かれていますが、当然、関西人も『からい』は『辛い』わけですよ。それが、焼売のカラシが辛いのか、カレーのスパイスが辛いのか、麻婆豆腐の麻辣が辛いのかの延長上で、塩分が強い時=塩辛い時にも『からい』と使います。醤油が強過ぎる時もですね。
なので『辛いわ、水ちょうだい!』もあれば、すき焼きで『ちょっとからいね、砂糖足そうか?』という使い方もあります。
9位;「よせて」
近づけて(関東)/仲間に入れて(関西)
ドッジボールとか鬼ごっこしてるところに『なぁなぁよせて~な』とお願いする。そうしたら相手も『ええで、よせたるわ』
幼児の頃から普通に使ってました。
標準語では、『ねぇ、入れてよ~』となるのかな?
8位;「ほる」
掘る(関東)/捨てる(関西)
関西では『ほる』と同じ意味で『ほかす』を使いますので、関西弁上司に『これ、ほかしといて!』と指示された関東圏部下が『保管しておいた』という笑い話も有名ですね。
7位;「カッター」
カッターナイフ(関東)/ワイシャツ(関西)
いやいや、東西の違いじゃなくて関西でもカッターはカッターナイフですよ。関西では一部の中高年がワイシャツの事をカッターシャツと呼んでいますが、最近はあまり聞きません。
由来としては、大阪に本拠を置くスポーツメーカー美津濃(現・ミズノ)が1918年に発売したシャツの商品名で、それがワイシャツを指す一般名詞として浸透しました。『カッター』は『勝った!』を文字ったもので、美津濃の創設者・水野利八氏が大好きな野球の試合で『勝った!勝った!』と喜ぶ観客の姿を見て閃いた造語とされています(ミズノ公式HP)
そういえば、5/18(水)に『ワイシャツ』のところで紹介した覚えがあります。
6位;「いね」
稲(関東)/帰れ(関西)
これも無理がありますね。関西でも『いね』は『稲』です。
帰れ!という時に『いねや!』と言うのは、関西圏でもシニア層か吉本新喜劇のセリフくらいですね。
幼い頃に祖母の家に遊びに行って遅くなった時に、祖母が『暗うなるから、そろそろいにや~(帰りや~)』と言うと、母親が『ほんまや、もうこんな時間やわ。ほな、いのか(それじゃ帰ろうか)』という感じで使ってましたね。
5位;「えらい」
偉い(関東)/疲れた・しんどい(関西)
疲れた時に『えらい』というのは関西だけではありませんね。東海地方から甲信越、北陸でも使われているようです。それより『しんどい』の方が関西限定ではないでしょうか?
関西人でも『偉人』の事は『偉い人』と言いますよ。
因みに『賢い』は、もちろん頭が良い・学習成績が良いという意味ですが、関西で子供に使う場合には『偉い』という意味も含んで使います。
『ちゃんとお手伝いできて、あんた賢いなぁ』という感じですが、関東圏ではしっくりこないかもしれません。
4位;「スコップ」
両手で使う大きな道具(関東)/片手で使う小さな道具(関西)
これは『スコップ』と『シャベル』が東西というか北海道とも逆転している話ですね。2021年夏頃に『チコちゃんに叱られる!』でも採り上げられていました。
そもそもスコップはオランダ語で、シャベルが英語。同じモノを指しますが、日本では掘るか掬うかとか大きさの違いで、地域により呼び方が逆転したようです。
3位;「なおして」
修理して(関東)/片付けて(関西)
8位の『ほる・ほかす』の逆ですね。
関西弁上司『このプロジェクター、元んとこになおしといてや』
関東圏部下『どこも壊れていないのに、何を修理しろと…?』
と言いつつ、関西でも『修理する』の意味で使いますよ。
『腕時計、壊れたんでメーカーに訊いたけど、もう古いから直らん言われたわ』
『割と深刻な病気で、簡単には治らんらしいで…』
2位;「じぶん」
自分自身(関東)/あなた(関西)
『なぁなぁ、いま自分ヒマなんちゃうん?』等と使いますが、I’m busy.ではなくYou’re busy,aren’t you? ですね。
因みに、『わい』は大阪南部ほか一部の地域での一人称ですが、長崎から北部九州の一部地域では『わい』が二人称で『おい』が一人称となります。
大阪の中華料理屋で…
『ワイの八宝菜のウズラ卵、あらへん!誰や食べたんわ!』
『自分ちゃんうん!最初にウズラ食うとったやん、自分!』
長崎の中華料理店で…
『オイのウズラ卵がなかとよ!ワイが食いよるんか!』
『ワイの食いよると、オイの見とったばい!』
(たぶん正確には違うような気がする…(苦笑))
という訳で1位が『きつねとたぬき』でした。
言葉の地域差はコミュニケーションの障害になることもありますが、温かくてホッコリしますね。願わくば、素朴な方言はいつまでも残って欲しいと思います。
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