転勤や出張で『金魚の日本三大名産地』を巡る件
土日はノンジャンルで、自由に徒然なるままに…
京都の生まれ育ちですが、中学・高校は奈良市の私学に通っていました。
奈良県内には『大和』という文字が付く地名や駅名が多い印象ですが、大和郡山市で金魚養殖が盛んだということは中高当時に耳にしていました。
あれから全国各地を仕事で転々とし、50歳で名古屋市に転勤となりましたが、数年前に名古屋市から少し三重県寄りの愛知県飛島村で鯉料理をいただいた帰りに、鯉だけでなく金魚の養殖場を見掛けました。
調べてみると、飛島村ではなくその隣の愛知県弥富市が県内有数の金魚養殖地であることが判明。弥富市を中心に、隣接の飛島村・愛西市・津島市で金魚養殖が盛んだということでした。
ただし、愛知県としての金魚養殖は『奈良県に次いで全国2番目』とのことで、やはり奈良県大和郡山市が全国一の金魚養殖地だという私の記憶が揺るぐことはありませんでした。
ところが先日、東京出張ついでに浅草で『どぜう』を食した後、何故かふとNHK『チコちゃんに叱られる』に出演するカラスのキョエちゃんの事を想い出し、キョエちゃんが棲んでいるらしい江戸川に立ち寄ってみたくなりました(因みに、現在キョエちゃんは産休の為、ズン吉が代役を務めています)。
降り立ったのは都営地下鉄の船堀駅。
以前、東京で働いていた頃は川崎市から渋谷に通勤していましたもので、この界隈は初上陸です。
まず目についたのが、『金魚まつり』のポスターや金魚養殖場の看板。この地が歴史ある金魚の一大産地であることがアピールされています。どうやら、『日本三大金魚産地』の一つであるらしいのです。
存じ上げませんでした。
ただし、出張を終えて帰宅してから調べてみると、哀しい事実も判明しました。
関東大震災以降、江東区や墨田区の工業地化や埋立てにより、江戸川区だけが産地として残存。ただその後、趣味の多様化や熱帯魚飼育の普及等で金魚養殖が減少し、現在では都内で2業者のみが存続との由。
出荷量も後発の熊本県長洲町に抜かれてしまう等で、『三大産地』から脱落したとの記事もありました。
尤も、生産業者の激減は大和郡山市や弥富市でも全く同様の状況であり、広大な施設や手間を必要とする金魚養殖業が今後回復していくことは難しいのでしょう。
ただ近年、国産メダカがかつてのグッピーのように人気復活している様子を見ると、数十年サイクルでまた盛り上がるような気がしないでもありませんが…
縁日の金魚すくいという風情ある屋台が、絶滅しないことを祈っております。