大抵のアイデアは、既に検討されている

「それも以前に検討したことがあって、、、」

お客さんと事業案について検討していた際に言われた一言である。

ジェネラリスト的な立場から、事業会社のような業界一筋(あるいは長く業界の中で頭を悩ませてきた)の方々に議論を持ち込む時に起こりうる。
また同じ会社内であっても、経験の少ない若手と経験の多い先輩社員の間でも起こりうる会話である。

戦略や事業案の検討など大きなテーマだけでなくだけでなく、具体的な施策案の検討などでも発生する。今回はクライアントへの新規事業案を提案するという例にしてみる。

自分が初めて考えたとは思わない

当然ゴールは、クライアントが今現在取り組んでいない事業を描くことである。
当たり前だが、前提としてクライアントの成長や安定への貢献などの何かしらのクライアントにとってポジティブな効果を期待できる必要もある。

そのようにポジティブな側面が見えることで、忘れがちになってしまうが、外部の人が圧倒的に短い期間で得た業界知識はクライアントの経験の足元にも及ばない、またちょっとした良いアイデアなどは当然クライアントの中でも議論の遡上にあがっているということである。

新しい事業案やシナリオといったものが議論に合った際には、「当然すでに検討されているだろう」と疑いながら検討を進めた方がよい。

なぜこの良い案が検討されているのに実現していないか、といった分析もするものだが、今回伝えたい内容ではないので省く。

これまでにないアイデアかを判断する

これまでに検討されているかもしれないと常に疑う場合には、これまでにないと半分確信を持っている根拠を持たないと、疑い続けて前に進まない。
そこで、まだ検討されていない案という為の検討軸を考えてみる。

自分だけしか持っていない観点を入れる

当たり前のことではあるし、それが難しいといえばその通りである。さらに、自分だけしか持っていない観点を入れるために必要なのは、「相手をよく知ること」と「日常でのアンテナを張ること」が重要である。逆に言えば、それができれば自分にしかない観点が手に入れやすいと思う。

相手をよく知ることがなぜ大切かというと、相手の経験や行動を知ることができれば、「この人はこの分野について知ることはないな」「この人はこの参考事例を知る機会はないだろう」と見当がつくからである。

そして、当然日常的にアンテナを張っていれば、クライアント企業が検討しない分野そうなところで、このビジネスは面白いかもというのが見つかってくる。クライアントが一番知りたいのは、自分たちではたどり着かない観点での事業案である。

今の時代・時期だからこその観点を入れる

「その事業案はすでに検討したことがあります」というクライアントの一言に対し、返すべき問いは「それはいつ検討したか」である。

近年、市場や技術の変化が急速な中で、以前に検討したが採用されなかったからといって、今現在も採用されるべきではないかというと、そうとは限らない。

1年前にはなかったが今は存在している変化が、事業案に関連してくるのであれば、再度検討をし効果がある施策なのかを検証する価値はあるといえる。

おまけ

偉そうなこと言いながら、私も日々頭を悩ませている。少しでも関わった方々のためになることをしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?