それは商業作家としてアカンやろう!?
「それは商業作家としてアカンやろう!?」ということをやらかしまして……。
本を書く前に「プロット」というものを担当さまへ提出します。プロットとは「あらすじ」のことです。プロットの様式は決まっていなくて、わたしはA4サイズ2枚くらいで説明しました。お話の最初から最後までギュッと短くした説明文です。担当さまから「ここは〇〇したらどうですか?」などアドバイスが入るので、あちこち修正します。担当さまOKが出ても、油断はできません! 次に編集長さまのチェックが入るからです。担当さまとわたしが見落としていた部分に的確なご指摘が入ったり、「この部分はもっと派手にできますか?」などお話を面白くするためのご提案があります。指摘や提案をプロットに反映させると、めでたく「本文を書いてヨシ!」とお許しが出ます。わたしの担当さまは「ソウさんは細かく詰めないほうが面白い作品を書けると思います(^▽^)/」そう言ってくださるので、プロットのやり取りは5往復くらいで終わります。担当さまによっては、30往復くらいするらしいです!
……思い出した……。以前にプロットで5往復目になったとき、わたしがキレたんだった……。「これ以上プロットを詰めても無駄です! ちゃんと面白いお話を書きますから、早く本文を書かせてください!」そう担当さまに直訴した……。ベテラン担当者さまに噛みつく新人作家……。あの時点で出版業界から消されても、文句は言えなかったな……。幸い担当さまは海のように広い心を持っていたので「そうですね! ソウさんなら書けます! 本文を書いてください(^▽^)」そう言ってくださって事なきを得ましたけれど、アレはアカンかったな(←今さら反省している)。
5回くらいでキレたらアカンかったのですけれど、キレたおかげで今回のGO!サインが早かったとしたら結果オーライ☆ 30往復はムリ!! キレて良かった(←けっきょく反省してない)♪♪ わたしはウキウキで本文に取りかかりました♪♪
書いているうちに頭をかきむしる羽目になるのは、作家あるあるだと思います。ざっくり考えたプロットからお話を書いていると、あちこちに矛盾が生じる。時系列がヘンだったり、位置関係がヘンだったりします。それらを修正していると、どうしてもプロットと違うお話になってくる。ちょっとだけ……そう思ってプロットと違うお話を書くと、どんどん結末から離れてゆく!! ロケットを発射するときに発射角度を1度間違えただけで、着陸地点がぜんぜん違う場所になってしまうような感じです。ロケットを発射したことないから知らんけど、たぶん同じ。
「だいぶ違うお話になってしまった……」そう思いながら書いている時に、別件で担当さまからご連絡がありました。チャンスだから聞いてみよう!
ソウ:まだ途中ですけれど、お読みになります??
担当:全体像をつかみたいので、お原稿が完成してから拝読させてください(^▽^)/
そうか……。じゃあ完成してから読んでもらおう。
担当さまのお返事に納得したわたしはコツコツ書き続け、やっと完成にこぎつけました! そしてウキウキしながら完成原稿を担当さまへ送った。
だがしかし! いま思えば納得してる場合じゃなかった! 担当さまが思っている話とかけ離れているのだから、途中でちゃんと確認するべきだった! 商業出版は文字通り「商行為」です。わたしが考えたお話(商品)を出版社で会議にかけて「これなら商品として売れるだろう」そう承認されて注文を受ける。注文を受けたわたしは期待通りの商品(作品)を納品する義務がある。それなのにぜんぜん違うお話になってしまった……。例えるなら「いちごケーキを納品してください」そう言われたのに「いちご……までは同じだから、いいかなと思って(^▽^)」そう言って「いちご大福」を納品するようなものです。ケーキを作れ! 大福じゃねぇよ!!
しかも……さらにやらかしまして……。担当さまから何度も言われていたことをブッチぎってしまった……。担当さまから口を酸っぱくして言われていたのは…………、
担当:一冊ずつ完結してください! 各巻読み切りでお願いします!! 必ず終わらせてください!!
本は売れなかったら即打ち切りです。昔は3巻まで出してもらえたそうですけれど、いまは即打ち切り。ですから話を次巻へ引っ張るのは禁止です。いつ打ち切りになってもいいように、各巻で完結させる。ところがわたし、ウッカリして次巻へ引っ張ってしまった! 気づいたのは原稿を送った後です。まさに後の祭り!!
担当さまはお忙しいようで、返事はしばらく待ってほしいと言われました。待っている間は針の筵(むしろ)に座っている気分です。プロットとちがうお話を書いてしまった……次巻へ引っ張るなと言われていたのに、引っ張ってしまった……。これは全部書き直しになるかもしれない……場合によってはプロットから新しく考えろと言われるかもしれない……(涙)。ゼロから書き直すのは避けたいなあああああ!! でも9割修正とかだったらゼロから書いたほうが楽かもしれないなあああああ!! どっちにしても、しんどいなああああ!!
ビクビクしながら待っていたのですけれど、お返事はありません。そうするうちに時間がたって、いつの間にか忘れてしまった。すっかり忘れていたら昨日、担当さまからメールが! ぎゃああああ!! お返事キターーーーーー――(゚∀゚)――!!
あまりに怖くてメールを開けられません! どどど、どうする!? このままほっとく!? メールに気付かなかったフリして知らんカオする!? いやいや! 知らんカオはムリやろう! とっととメールを読め!! ビクビクしながらメールを開くと…………、
「ソウさん、素晴らしいです!!! めちゃくちゃ腕を上げましたね!!!」
信じられない一文が飛び込んできたああああああああ!! めっちゃ誉められてるううううううう!!!!! やったああああああああ!!!!! 一発OKいただきましたああああああああ!!!!!!
一点だけご指摘が入りましたけれど、ぜんぜん大丈夫です! すぐ書けます! すぐやります!!
有頂天でメールを閉じて、幸せな気分で一夜を過ごすことができました☆
そしていま、じっくり考えながらこの記事を書いています。担当さまが言われるように、わたしは腕を上げたのだろうか?? 2巻を書いていた頃から1年経過して、わたしは成長したのだろうか? 答えは「YES!」です! 自信満々で自画自賛できます!
この1年間、毎日コツコツ書いてきました。以前は小説家になろうというサイトでエッセイを書いていましたし、いまはnoteで記事を公開しています。そして児童書の原稿もずっと書いてきたし、他のジャンルにも挑戦した。それぞれジャンルに違いはありますけれど、文字で表現するというのは同じです。気持ちが落ち込む日もネタが見つからない日も、ずっとコツコツ書いてきた。自分の書く文章のアホさにうんざりしたり、語彙力の少なさに絶望しながらも、それでもコツコツ書き続けてきました。
わたしは毎日2~4時間文章を書いています。普通の生活をしている方は不可能だと思います。お仕事をして日々の生活をこなし、さらに執筆は無理でしょう。でもわたしはやってきました。なぜ可能だったのか? 答えは簡単です。執筆に全振りした生活をしているから。他を犠牲にして執筆を生活の中心に据えているから。執筆時間を確保するため短時間のバイトで生活しています。短時間バイトの収入なんて、たかがしれた金額です。少ない収入で生活するとなると、ビンボー生活になるのは当然。欲しいモノは買えませんし、どこへ行くにもチャリです。夜の暗い雨の中、寒さで耳が千切れそうに痛くなりながらも、向かい風に向かってチャリをこぎます。ビショ濡れでバイト先へ到着して、濡れたままバイトをする日もあります。ガタガタ震えながら暗い部屋へ帰って冷たい布団で寝ていると、情けなくて涙が出る日もあります。でも書きたい! それでも書きたい! 他のことを犠牲にしてでも、わたしは書きたい!!
書いて書いて書きまくって、わかってきたこともたくさんあります。どうすれば読者さまに伝わるか、どう書けば楽しんでもらえるか、何度も失敗を繰り返して少しずつわかってきました。まだまだ十分ではありませんけれど、1年前と比べたら雲泥の差だと胸を張って断言できるほど、たくさんの失敗を乗り越えてきました! これからも失敗するし、自分のバカさに泣く日もあると思います。でもポンコツにしか書けない文章があるはずだから、わたしはそのポンコツな文章を真剣に書いてゆきます!!
死ぬときに、後悔だけはしたくないのです。「やりきった! やったった!」そう思いながら死んでゆきたい。
問い:もし今日死んだら、後悔はないか?
答え:ありません! 原稿が途中なのは心残りですけれど、今日までにできることはやりきったので後悔はありません!!
でもまだ死ねないので、今後も頑張ります! とりあえず3巻を出します! がんばるぞおおおおおおお!!!!!!!!
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