同級生の分の会計を支払うかどうか

東大の同級生はお金がない。
あれ、自分が18歳のときってこんなにお金がなかったかなと思うくらいお金がない。一人暮らしをしている同級生が多いからかもしれない。日本大学はほとんどの友人が実家に住んでいて、地方から出てきた人は一握りだった。
今は違う。半分以上ということはないけれど、一人暮らしの人が多い。実家暮らしであっても、金銭に余裕がなさそうだ。みんなアルバイトができないくらい勉学で忙しいからかもしれない。

駒場周辺にある美味しい飲食店にみんなで行きたいけれど、ちょっと高いから誘いづらい。
でも行きたいから迷う。ぼくが同行者の分を出すかどうかで迷い、逡巡する。
ぼくが食事の代金を負担すれば、相手は感謝するだろう。金銭的な感謝は、歳が離れていることもあって、友人としての関係が綻ぶ原因となるもしれない。
そう考えると誘えない。

だから、こっそり相手が感謝しないようにお金を使うことにしている。
例えば、相手に何かちょっとした作業を頼んだときにお礼をするようにしている。
授業にゲストで来た先生と写真を撮りたいから5分待ってもらったり、英語の課題の添削をしてもらったり、休みの日に集まって一緒にレポートをやったりといった、大学生として本来値がつかない作業に対し、食事や飲み物や甘いものを振る舞うようにしている。
そういうとき、相手はあまり感謝しない。「ありがとう」も言わないくらいこっそりと支払うことができる。

みんなが家に来たときに食べ物や飲み物を提供する行為も、感謝されづらいから有効だ。ちょっぴり高いジュースを用意したり、ケーキを買ってきたり、スタバでサンドウィッチを買ってきたりしている。
他人の家に行って、食べ物や飲み物が無償で提供される経験は一般的だ。友達の家に行くとお母さんが出してくれる。当たり前の出来事ぁ。だから、みんな心に負担を感じない。心に負担を感じてほしくないから、そういう時を狙ってお金を使うようにしている。
友人たちに富がもたらされて、ぼくのおすすめの飲食店にこれでもかこれでもかと一緒に行ける日が来るといいなあ。

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