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「不要不急」について考える

自分の仕事は
基本的には不要不急ではないか。

ともあれその疑問は、
たえず付きまとっていた。

ただそれは自分だけの問題ではなく、
世間と私の仕事との
関係性だということは、
どうやらわかり始めていた。

世間がどういう仕事を
私に要求し、

他方、
私はどういう仕事を
したいと思っているのか、

その両者に
どこまで一致点があるのか。
養老 孟司『ヒトの壁』より

2020年初旬の
コロナウィルスの拡大から、
はや2年が経ちました。

その2年間で、
上記の養老さんの
問いかけのように、

自分自身の仕事、
さらには
人生について
考えたのではないでしょうか?

人の生活のベースに関わる、
エッセンシャルワーカー
である人以外は、
不要不急なのでは・・・と。

もちろん、
私自身も同じように考えました。

今回は、
不要不急」という
言葉について
答えのない問題を
少し考えてみたいと思います。



ウィルスから考える「不要不急」

角度を変えて、
ウィルスの特徴から
不要不急を考えてみましょう。

ウィルスは、
ウィルス自身が絶滅しないため、
媒介先であるヒトを
殺してしまってはいけません。

ウィルスとヒトが
良い塩梅で共存する
特徴を捉えた
養老さんの言葉がこちら。


コロナもやがてそうなるはずで、
薬剤が開発され、
多くのヒトが免疫を持ち、
一種の共生関係が生じて、
いわば不要不急の安定状態に入る。
養老 孟司『ヒトの壁』より

一種の共生関係に入ることが、
ウィルスにとっての
不要不急の状態
と考えられます。



「生きる」から考える「不要不急」

続いて、
「生きる」という
大きすぎるテーマから
不要不急を考えてみましょう。


「生きる」とは
そういうことらしいのである。

生きること自体に
努力が必要になる。

そういう状況では、
人は生きることを実感する。
養老 孟司『ヒトの壁』より

多田富雄さんの
寡黙なる巨人』から、
養老さんが
感じ取られた言葉です。


生きること自体に
努力が必要になること

これが、
「生きる」における
「要」で「急」であれば、

平凡に暮らせている毎日は、
不要不急ということに
なりますね。



自分の生活から考える「不要不急」

続いて、私の毎日から考える
「不要不急」について。

小池都知事が言っていた、
「不要不急の外出を控え・・・」
の言葉から読み取れる
「不要不急」は、

細かく定義付け
されていませんでした。

が、なんとなく、
衣食住+医者にかかる+仕事
というのが
共通認識だったのでは
ないでしょうか?


私の毎日に落とし込むと、
衣食住に関わる、
スーパーでの買い物は
「要」で「急」。

健康維持のための、
散歩も
「要」で「急」。

ですが、
散歩の途中に
喫茶店に行くのは
「不要不急」。


なんだか、
「要」で「急」と
「不要不急」は
紙一重な気がしてきますね・・・



仕事から考える「不要不急」

冒頭にも述べたように、
エッセンシャルワーカー
以外の仕事は、
「不要不急」なのでしょうか。


私はスポーツ関係の
仕事をしていますが、

スポーツは、
人の衣食住や医療に
携わっておらず、
エッセンシャルな
仕事とは思えません。


しかし、
角度を変えてみましょう。


スポーツでご飯を食べている人、
スポーツが生きがいの人
からすると、
スポーツもエッセンシャル
ではないでしょうか?

だとすれば、
スポーツに携わる仕事も、
エッセンシャルな仕事の1つです。


つまり、
あなた自身、私自身の仕事は、
ある人にとっては
「不要不急」で、

ある人にとっては、
「要」で「急」なのです。



まとめに変えて

あぁ、なんて
答えが明確でなくて、
取り止めもない話なんだ・・・

と思いながらも、
読んでくださり
ありがとうございます。

こうやって、
私の考えを書いていること
それ自体が、
最も「不要不急」だと
私自身も感じています。

しかし、
これが、あなたにとって
少しでも「要」で「急」
かもしれない、
と、そんな期待も込めて…


結論、ではありませんが、
「不要不急」について
あーだこーだと
考えていられるこの状態が
「不要不急」で、
平凡で幸せな時間だと感じています。



色々と考えるきっかけを
与えてくれた
本当の出会いにも感謝です。




2022年も
マイペースに、
本と付き合って
いきたいと思います𓂃𓈒*




おまけの独り言


次に私が読みたい本は
こちらの『「自分」の壁』です。

今回の書籍で、
養老さんの哲学的な
答えのない文章に
感動したので、
何冊か読めると嬉しいなと。



でも、きっと、
気分が変わって、
Anders Hansenさんの
『最強脳』でも
読むと思いますが・・・



近い将来
洋書をそのまま読めるように
なれたら最高だな・・・

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