『#ThEDPS3/Three Hundred Emotional Piece Sence_嫌いなはずのキミの言葉が好きすぎて』
あたしは決めたはずだった。
きっとあたしに何かをもたらしてくれるであろう君のことを期待した。けど、それは、ただただ嫌いって感情を加速度的に培養するだけだった。
君のことが好きな自分が嫌い。
あたしが、壊れてった。
だから、最後の一言を放たれて玄関が閉まって、鍵がかけられて郵便受けに合鍵が入れられた音を聞いても、涙なんてもちろん、ため息も出ないし、愚痴の一つもでやしない。
「………」
無言でキッチンに行って、無言で一人分の昼食を作って、無言で食べて、無言でお昼寝して、無言で仕事して、無言で買い物行って、無言でお風呂入って、無言で夕飯作って、無言で歯を磨いて、無言でダラダラして。
無言で、ベッドに入る。
無言で。無言で…。無言。
君がいないくなったら、その部屋を支配したあたしの神の意思は、無言。
無音。
無温。
そして、無光。向こうに向かうための、暗闇。
もういいや、眠っちゃえ。
で、寝言で泣いた。
なのにもう、なのにだよ。
なんで、スマホの画面に通知が。
- ごめん。忘れ物した。今近くにいるから、取りに行ってもいい?-
じゃないよふざけんな。そんなのこっちから送るか捨てるかするわ。
似たようなテキストを即返信してから気づいた。
即返信した自分。
やっぱり大っ嫌い。なんなの。なんなの?
「なんなの!?」
気づいたら声に出る。誰かいたら何言ってるか聞き取れなかったかもしれない。鼻も詰まっていれば、声もほぼ出てない。言えてない。
ふん。だから嫌なんだ。
でもそれで気づく。
あたしは、なんで泣いてる?
返信-いや、それが無理なものなんだ。お願い-
もう、わかった。その一瞬で済むならどうでもいい。
そんなのであっても何も変わらない。
あたしは許可する。鍵を開けてすぐ、到着するであろう前に玄関を離れてベッドに潜ろうとすると、聞き覚えのある少し大きな物音がして、腕を掴まれる感触。
「そ、これ。ごめん。ありがと」
持ってるの、あたしの腕だけじゃん。何してんの?
「は?あたしたちは終わったの!何よそれ。もうふざけるのもいい加減に」
続きは一旦言えない。ハグと一緒に叩きつけられるキス。
……ちょっ。
「……ちょっと!なに!」
あたしはかれの腕の中で暴れる。
「好き。だから取り返しに来た」
「は?!馬鹿じゃないの?」
あたしの乱暴は止まらない。
「いいから、10秒、いや、5秒でいいから、動かないで」
「変なことする気でしょ」
「しない。てか5秒じゃしたくてもできない」
「したいんだ」
「それは言わせてくれたらいうから」
「……」
あたしは物理的な抵抗だけやめる。
「いい?」
「4秒だけな」
「1秒短い。いいや。早口だけど勘弁して」
「早くして、早く帰って」
「わかった。じゃ」
「僕の…………」
次に響いたのは、あたしの嗚咽だった。
もうダメだ。
あたしの世界が全部ひっくり返る。
これはダメだ。
なんなんだこいつは。
なんでこんなとこにいるんだ。別れたのに。
なんで今いるんだ。突き放したはずなのに。
なんで膝の力が抜ける自分をまだ抱いているんだ。
なんでそんなに微笑んでんだよ。
「………」
なんで何も言わないんだよ。
「あの、だって……」
ひっくり返って、塗り替えられる。
「僕のこと好きな自分が嫌いな自分と、バイバイできた?」
なんで、なんで。そんなことが。
「あの、だって、僕は君しか大好きじゃないから」
ごめんね無言。
ありがと。
基本的に物語を作ることしか考えていないしがないアマチュアの文章書きです。(自分で小説書きとか作家とか言えません怖くて)どう届けたいという気持ちはもちろんありますけど、皆さんの受け取りたい形にフィットしてればいいなと。yogiboみたいにw