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好きな漢詩

鹿柴  王維
空山不見人 但聞人語響
返景入深林 復照青苔上

空山人を見ず
但人語の響くを聞くのみ
返景深林に入いり
復た照らす青苔の上

閑散とした山に人の姿はない。
ただ耳を澄ませば、人の話し声が、こだまして聞こえる。
夕日の照り返しが深い林に差し込み、
また、青い苔の上を照らし出す。

「鹿柴」は野生の鹿の侵入を防ぐ柵。

王維(699?―761)
中国、唐代の詩人で画家。盛唐期の大詩人の一人です。仏教信者でもありました。自然詩の第一人者とされ、静謐な山水美を多く描いています。

私は苔が好きです。庭にあるのもいいけれど、やっぱり山奥にある自然の物の方がいいですね。でも、たまにいますよこんな人。
苔はとても潤で柔らかく生き生きとしています。見ていると落ち着きます。きれいな桜の花よりも、青々とした苔に自然の美しさを感じてしまいます。地味に頑張っているよ感もまたよいものです。
きらびやにつくられた美しさよりも、やっぱりあるがままの姿のほうが美しい。そう感じます。


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