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貸し自転車屋を探したが、どの店の自転車も出払っていた事についてなど

今日はソンクランの二日目の中日であった。ホテルでの朝食をすませると、朝から貸し自転車屋を探しに外に出かけていった。

午前中からうだるような暑さは始まっていた。
グーグルマップで見ると貸しバイクや貸し自転車の店というのは、メコン川沿いのエリアに集中しているらしいというのが分かった。

軒並み訪問を繰り返した。しかし、貸し自転車はどこの店にも無かった。どうやらハイシーズンで観光客が多く、貸し自転車の需要が急激に高まっているらしいのだ。貸し自転車は日本円で100円程度で借りられるというし、自転車があれば市内の移動が相当に楽になると思ったが、どうもこれは諦めるより仕方ないようだった。

貸し自転車屋の一軒の店にて、中年の夫婦が飽きないをする店のようであったが、私が、「もし、パスポートをお店に預けられなかったら……」とタイ語で言うと、それを言い終える前に、「ダメだね、パスポートが無いんだったら貸せないよ」と、中年女性の方が返答してきた。

その言い方が何となく小憎らしく感じたのだが、どうにも仕様が無い。借りる時に店にパスポートを預けなくても、中には現金を預けることでディポジットの代わりとする店もある。そういう代替案を出さずに即座に否定してきたから、こちらとしては、「商売する気があるのか」という思いが湧いてくるのだ。

私は諦めてホテルに戻った。ホテルの部屋で小休止した後に、衣類の洗濯でもするかと思って、洗剤を買いにまた外に出て近所を歩き出した。

歩いているとカーマニアに垂涎物だろうなと思わせる車が道の片隅に転がっていた。

一体、どこの車が分からないが、とにかく古い車である。運転席や助手席は剥ぎ取られていた。この車は動くのかどうかも定かではない。

これはタラートサオの駐車場にあった車だが、一見ドイツ車のように見えるのだが、特にエンブレムらしきものが無いので、メーカーや車種を特定できない。しかし、中々の渋みがある良い車である。

タラートサオのモールの中にも入ってみた。モールの中は営業している店が少ない。おそらく通常の2、3割程度の店しか稼働していないかもしれない。衣類を売る店がほとんどだ。あとは宝石やちょっとした電気製品などである。

タラートサオのモールのそばにあるミニビッグシーにたどり着いた。

店に着いた時に、店の扉に鍵がかかっているようで中に入れ無かった。しかし、店内の電気はついているようである。私が来た時と同じくしておそらくラオス人の若い男性も一緒に店内に入れずに、店の前で立ち往生していた。

すると、近くで屋台をやっている婆アが、「店員はトイレに行ってるよ!」とラオス人の若い男性にラオス語で言った。

婆アの目線は明らかにその男性にしか向けられていなかったので、ああ、なるほど、外国人は助けないけど、自分達の仲間のラオス人は助けるんだなと思った。

ラオス語とタイ語は似ている。私はラオス語はあまり知らないのだが、タイ語の知識が多少なりともあるので、簡単なラオス語なら理解できるのである。

これは非常に瑣末な日常の一コマではあったが、外国人がラオスで暮らすのは結構ハードルが高いかもしれないと思った。地元の人に一旦、仲間だと思われれば一気に居心地が良くなり、暮らしやすくなるだろうが、幾多のイニシエーションや困難を経て、やっと地元民に仲間として認められるような、面倒臭いプロセスを経なければならないだろうと察する。

まあ、日本であっても都会に住んでいた人が田舎や地方に移住するとなると、移住先の社会に適応するのが大変だったりするようだし(筆者にもその経験が少なからずある)、世界中、人間が直面する問題はどこも似たり寄ったりなのかもしれない。

ミニビッグシーで衣料用洗剤を物色したが、めぼしいものが無かった。洗剤はあっても量が多すぎる。今回のラオス滞在は9日間であり、この国にいる間に使い切らない量だ。余った洗剤を捨てるのが勿体無かった。結句、何も買わずにホテルの部屋に戻った。

ホテルには備え付けのボディーソープがあったので、衣類の洗剤の代わりとした。洗面所のシンクの中でゴシゴシと衣類をこする。

衣類の手洗いは面倒臭いのだが、まあ、これも旅の日常かと思った。無心になって衣類を洗っている最中に嫌なストレスは無い。ホテルの部屋の中も静かであった。

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