人事異動したら、日向坂46が好きになった話

1.「風が吹けば桶屋が儲かる」

あることがきっかけで、一見すると全く関係がないことに影響を及ぼすことの例えである。私にとっては「風が吹く」＝「人事異動」、「桶屋が儲かる」＝「日向坂46を好きになる」だった。

人事異動が発表されたのは2019年10月。世界が一変する前のこと。その時はまだ日向坂46のことは「ファがない歌を歌っているアイドル」くらいの認識でしかなかった。

人生で初めての人事異動。私は「住宅手当がないこと」「交通費なら全額支給してくれること」を理由に周囲の反対を押し切り、今の自宅から新しい勤務先へ通うことにした。
周囲の反対の理由はただ１つ。
それは、通勤時間が片道90分になることであった。
（決して前向きではない、出費が増えるのなら、早起きを頑張ろうという後向きの決断である）

2.見逃していた穴

2020年1月、片道90分の通勤が始まった。
90分もあれば、Netflixで映画観れるなぁ〜とか呑気に考えていたのだが。
実際通勤していると案外何も出来ないことに気づく。
正確に言うと、見れないことはないのだが、内容が頭に入らない。
なぜなら、3つの交通機関を乗り継ぐ為、集中出来ないからだ。（あと、朝から重い系も見にくい）

ただ、90分間継続して使い続けられるものがあった。
それは「耳」である。
歩きながら、バスに乗りながら、電車に乗りながら、場所を問わず聞き続けられていた。
最初は音楽を聴いていたのだが、毎日聴いていると飽きてしまって。
そんな中。朝のTwitterトレンドチェックしていると、「#井口理ann0」が早朝なのに異様なツイート数を記録していた。
「なんだこれ…？ann…？」
調べてみると、King Gnuのボーカル、井口理さんがパーソナリティを務めるオールナイトニッポンのハッシュタグだった。放送時間はちょうど90分。
「まさに私の通勤時間のためのラジオだ！」と心が躍った。
（余談だが、私が聴き始めた初日に井口さんが日向坂46の渡邉美穂さんの話題を出していたな、と今書きながら思い出した。）

これが、スクールオブロック（やましげ校長、やしろ教頭&とーやま校長時代）以来、離れていたラジオとの再会である。

その後、すっかりオールナイトニッポンの魅力を見つけてしまった私は、全曜日を聴き始め、やがて「オードリーのオールナイトニッポン」に辿り着いた。

3.きっかけはどこに転がってるか分からない

2020年3月、世界は一変した。
私はオードリーにハマり、その流れで「日向坂で会いましょう」に辿り着いた。
（いわゆるおひさまとしては短いので、おひさまと名乗るのはおこがましいと思ってる、今でも）

そして、時は流れ、2021年9月。
日向坂46のアリーナツアーに参加するまでに至った。

コンテンツが溢れている昨今、自分が自信を持って好きだ！と思えるものに出会えたことはある意味奇跡だと思う。

うちの会社が住宅手当を出していたら、
（もしくは周囲の反対に押し切られていたら）
勤務先の近所に引っ越していただろうし。
通勤時間にラジオは聞かなかっただろうし。
オードリーにもハマらなかっただろうし。
日向坂46のライブで広島には行ってなかっただろう。
そう考えるとちょっとゾッとする。

きっかけはどこに転がってるか分からない。
もしかしたらその場はマイナスな出来事かもしれない。
ただ、今回みたいに素敵な出会いに繋がることもある。

このnoteを書くことで自分の、いや、誰かのきっかけになればいいなあ、とちょっぴり期待を込めて。