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旅日記

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そんなことないのに「趣味は旅」と適当に答えていたら、旅が趣味になった人の旅日記。
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【2024/2/24】身延山久遠寺【鰍沢】

【2024/2/24】身延山久遠寺【鰍沢】

前座の頃はBボーイというかただの輩のようだったけれど、
二ツ目になってからはスーツを着てマフラーを首から垂らして銀縁のサングラスをかけてハットを被って歩き方もオラオラで『もはや渡世人』でお馴染みの柳亭市松兄貴からお仕事を頂戴し、身延山久遠寺で落語をやらせていただくことになった。
渡世人のようではあるが、ご実家が法華と縁があって二ヶ月に一度落語会を開催してくださっているのだ。

身延山久遠寺といえば

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令和五年十一月廿三日 桃月庵黒酒落語会『土産噺』於・亀戸梅屋敷

令和五年十一月廿三日 桃月庵黒酒落語会『土産噺』於・亀戸梅屋敷

お伊勢参りの話とお伊勢参り中に稽古した噺をやるという会。
たくさんご来場いただき本当に嬉しい限り。
ただこれは話題性一本勝負みたいなところが大いにあります。
いつかは実力で落語を聴いてもらえるように精進いたします。

◎二人旅
歩いて旅をしたんだし、これはやらないとなぁ、という二人旅。
本当はもっと味わい深くやりたかったんですが、お客さんがいっぱいで「笑ってもらいたい!」と思いすぎてしまいました。

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後日談と今後の旅、それから記録

後日談と今後の旅、それから記録

【11/29】旅日記の最終日を加筆修正したので、そちらを読んでからお読みください。

後日談旅を終えて、東京には戻らず大阪の実家に電車で帰った。
二十日ぶりの電車だったが、やはり何も思わなかった。

76歳になる母は、私が歩いてお伊勢参りしてきた事に「凄いな」とだけ言ったが、あまりすごいと思っていなさそうだった。
それよりも、私の右足の親指の爪が内出血で色が変わっているのを見て、
「私とおんなじ色

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【最終日】お伊勢参り

【最終日】お伊勢参り

これを書いている十一月七日にはもう旅を終えていて、私は朝から実家の布団の上でゴロゴロしている。
ゴロゴロし過ぎて少し気持ち悪いくらいだ。

たくさんの応援ありがとうございました。

最終日。

朝からスーパー銭湯に行った。
スーパー銭湯行ったんかい、という。
お伊勢参りをする前に身体を清めておこうと思ったのだ。

みたすの湯では今年から(だったかな)積極的に落語会を開催していただいており、私のこと

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【十九日目】津〜伊勢

【十九日目】津〜伊勢

もうすぐ旅が終わる。
皆、旅が終わるのを「少し寂しい」と言ってくれる。
それほどこの旅日記を楽しんでいただけたということだろう。

元々この旅日記も毎日書く予定ではなく、何日か分をまとめて書く予定だった。
ただ思いの外反響があったので毎日書くことに。

私としては歩くことはもちろん、これを毎日書くというのもなかなかハードで、
そして書いたことが意図してない風に伝わったり(文章力の低さや、想定外のと

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【十八日目】鈴鹿〜津

【十八日目】鈴鹿〜津

この旅ももう少しで終わり、なんて事を考えすぎているせいか、
疲れが爆発してずっと眠いし怠い。
緊張の糸が切れてしまったのだろうか。
切れた糸を結ぶのは難しい。
このままダラダラ進むしかない。

全部終わったら何しようか。
あんまり好きじゃないけどお酒飲もうかな。
最後の参拝が終わった直後にビール飲んでみよう。

十八日目。

鈴鹿といえば鈴鹿サーキットという事で、レーシングカーを看板にしてある。

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【十七日目】桑名〜鈴鹿

【十七日目】桑名〜鈴鹿

あと少しでゴールだ。
旅を終えて何か変わるのか、これが楽しみだ。
最初の高座から何か違うかもしれないし、一年後、三年後、十年後に変わるかもしれない。
旅の噺をやった時に一味違うかもしれない。
もしかしたら悪い方へ変わるかもしれない。

極端な話、ずっと家でボーッとして育った人間と、
毎日自然の中を歩いて旅をした人間が、同じ性格や人間性になるわけがない。

なんか変わる。
いやー、楽しみ。
結果何も

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【十六日目】名古屋〜桑名

【十六日目】名古屋〜桑名

ゴールを意識し始める。
ゴールした時、私は泣くのだろうか。
いや、こうしてゴールの事を考えていることで心の準備ができて「こんなもんか」となるかもしれない。

それに旅が終わる寂しさも少なからずある。
全力で「終わったー!」とは喜べないのではないだろうか。

足がズタボロで痛みに耐えながらゴール──ならば少しは感動的だろうか。

そもそもゴールはどこなのかちゃんと設定しておきたい。
伊勢に着いたらな

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【十五日目】岡崎〜名古屋

【十五日目】岡崎〜名古屋

二ツ目になって一年が経った。
去年の今頃は披露目の40日を毎日ネタ変えて毎日エッセイ書いてたか。
あの時の辛さとか不甲斐なさとか今でも覚えていて、あまり楽しくはなかったはずだが、一年経った今は良い思い出になっている。

人生は良い思い出づくりなんじゃないか、という。

二十代の頃の良い思い出というのがほとんどない。
いや、その時の楽しいことはしているはず。
ゲームしたり漫画読んだりテレビを観たり、

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【十四日目】豊川〜岡崎

【十四日目】豊川〜岡崎

旅を始めて二週間が経った。
ここで私の腕の日焼けをご覧いただきたい。

不自然に色が変わりすぎて、腕がちぎれてバッファローマンの腕を借りている時のテリーマンみたいになってるやん!(伝われ)

顔も真っ黒。
鏡を見ると、元がお白いだけに別人のように見える。
東京の水で洗えば元の通り真っ白になるだろうか。

十四日目。

新御油橋を渡って御油宿に到着。
御油宿は松並木が有名で、松並木資料館なんてのもあ

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【十三日目】湖西〜豊川

【十三日目】湖西〜豊川

朝起きて、ご飯を食べて、旅日記をつけて、歩いて、稽古して、ご飯を食べて、風呂入って、寝る。
体力や時間に余裕があればYouTubeや動画配信サービスを使ってドラマを観たりしている。

で、この生活がだいぶ洗練されてきていて不都合がない。
強いて言うなら落語ができないことくらいで、あとは大体満たされている。

東京にいる時はなんで満たされないのだろう。
新しいものを求めて、隙間時間を埋めよう埋めよう

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【十二日目】浜松〜湖西

【十二日目】浜松〜湖西

落語の為、自分の為にお伊勢参りをしているわけだが、
現時点で落語にとってマイナスの要素がいくつか出てきている。

まず、声が出ない。
毎日稽古しながら歩いているので声を出してはいるのだけれど、人と喋るときにスッと声が出ない。
一度喉で引っかかる感じがする。
疲れからくるものか。
人と会話しなさすぎて、
「オレ、トモダチ」
みたいな、ゴーレムレベルの会話しかできなくなるかもしれない。

次に正座がで

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【十一日目】掛川〜浜松

【十一日目】掛川〜浜松

昔の人は皆身長が低く、痩せていたというので、
ひょっとして歴代の徒歩でお伊勢参りした人間の中で私が一番太ってるのだろうか。
いや、そんな称号はいらないが、
そもそもこんなに太ってて毎日何十キロも歩くヤツはいるのだろうか。

今日は29キロ歩いた。
体重は91キロ。
ウォーキングにダイエット効果がないことの証明。

十一日目。

毎晩寝汗をぐっしょりとかく。
宿には申し訳ないがいつも布団がビショビシ

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【十日目】島田〜掛川

【十日目】島田〜掛川

そろそろ旅日記に飽きてきてないか?
いや飽きてるだろう。
最初は新鮮だし、聞いたことある地名も多いから楽しめた。
しかし今は新鮮さがないし、知らない奴が知らない場所歩いてるという状態。
どういう状態?

やっと半分

十日目。

朝食ビュッフェを食べて出発。
ホテル宿泊の際はできる限り朝食ビュッフェが食べたい。
朝食ビュッフェのベシャベシャのスクランブルエッグが食べたいのだ。
スクランブルエッグ3

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