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哲学やるきっかけ

先日ちょっと書きましたが、私は元々「地理」が好きです。今でも好きです。

地理はすごいよ。
本当に、世界を外側から見て、事実を確認していって繋げる作業。
学問の集大成感がすごい。

岩石と海の原型しかなかった生まれたての星の状態から、地形ができて、天候ができて、その土地の環境ができて、人類の各々独自の文化形成に至るまでの歴史を説明する。その意味で歴史でもある。

もう一つ。たとえば、内陸部が寒い理由はプールサイドがあちちってなる理由と同じ。水の近く、つまり島国や沿岸部は気温が安定して、都市ができやすい。
これには物理と化学の説明を要する。

ぜんぶに理由があるからスッと入ってくる。
ただただ覚えなきゃいけない、みたいな事がない。暗記する箇所も自然と覚えられる。
受験に関しても、グラフを見てどこの国でしょうか?みたいなことが多いから、推理してくかんじで楽しい。

学問の集大成というか、むしろ逆か。
地理をやってると、他の学問の必要性、必然性がわかるんですよね。
超古代から順に、物理、化学、地質、気候、植物、生物、史学、文化、言語、政治、経済…と、必然性がわかる。
もちろん数学は時代を問わず使うしね。
「ここが気になる人は化学をやるのか…」とか、「生物をやるのか…」とか納得する。

すごーーーーい地理を使えば世界ぜんぶ説明できる!と超感動したわけです。
地理を使えば、宗教さえ説明できる。
神さまがいる、みたいなことを証明する必要がないわけです。

乾燥帯でイスラム教が栄える理由なんかは代表的です。

でも、(ここからが重要)
当の信者はそんな理由で納得できるわけなくないですか?

あなたがその神さまを信じてるのはコレコレこういう地理的要因です、と言われたところで納得できるわけがない。

これと似たようなことで身近な例を出すと、
たとえば私たち女の人の、生理前のイライラ。
「あなたがイライラしてるのは生理前でホルモンバランスが乱れているからですよ」
と言われたとて、納得できなくないですか?別に怒りは消えない。
「知らねーよ今テメーがムカつくんだよクソが!!」
とはもちろん言いませんけど、思ってしまうのは私だけなのでしょうか。
怒り消えないどころか、むしろテメーの引いたトリガーを私のホルモンバランスのせいにすんな!となる。

地理と宗教に戻る。
「色んな、多様な選択肢が途方もない数だけあって、その中から環境要因で結果的に今の形になった」
と言えばそれまでなんですけど、
まぁとにかく、整合的な説明ができるかどうかと、納得できるかどうかは別問題なわけです。

んで、我々は結局、納得したいわけですよね。
結局のところ、整合的な説明を求めているわけではない。

だから私は、納得したくて哲学科に入りました。
「納得できなさ」がどこから来るのか知りたくて、
「納得できなさ」をどう落ち着けたらいいのか知りたくて、
ショーペンハウアー哲学と和辻倫理学をやっています。

よろしく。