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ベテランにわかファンの子連れ観戦記

横浜沸騰プロジェクトやマリサポのTwitter でも集客増のターゲットとして話題になり、ラグビーW杯の人気で更に見直されつつある〝にわかファン〟&〝子連れ観戦〟。もともとドーハの悲劇あたりから日本代表サッカーを見始めた「にわかファン」であり、その後「子連れ」で長くマリノスを見てきた僕としては、何か情報提供できないかと思い書き始めてみたところ、いろいろと記憶の扉が開いてしまいやたらと長くなりました。

バックグラウンド

ひと言で「子連れ」と言っても年齢とともに事情は大きく変化していきます。以下は自分がここ20年弱で体験してきたことです。

ちなみにうちの子はトシゴの2人兄弟。息子&娘とも0歳から保育園に預けて、嫁さんもずっと働いています。20年ほど前は男性の育児参加が求められ始めた時期でしたが、今のように男が育休をとるようなレベルではなく、自分としては当時の一般的水準よりは参加していたつもりでも、まだまだ女性の負担の方が重くて、今になっても嫁さんにその恨み辛みを愚痴られる生活です。orz

子どもが産まれる前はスタジアムには行っていませんでした。なんとなくサッカーはテレビで見るものという先入観があり、他にも遊ぶことが沢山あったから。

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0-1歳 乳児時代(父31)

スタジアム観戦は年に1,2回だったか。嫁さん&子どもの体調が良く、天気も良いことが最初の条件。つまり当日の出発予定時刻になるまで本当に行くか確定できない。だからチケットは当日券。荷物が多い(哺乳瓶からオムツや着替えまで)から移動は車。従って駐車場を確保する必要もある。外出が長時間にならないようにスタジアム到着はキックオフ直前。荷物が多いし大きな音や声で乳児を驚かせたくないから、座席は人が少なく余裕のあるエリアを探す。歩き回らなくてもすぐに希望の席が見つかることも要件。我らが日産スタジアムはこの要件をすべて満たしていた。子どもが産まれる前とは生活が激変した中で、当時とても良い気晴らしになった。

チームグッズは何も持ってなくて、自分達はレジャーで来ているだけだから、むしろユニフォームを着ているようなサポーターと一緒にされたくないと思っていた。応援スタイル論争なんてヘビーすぎる。僕にとってサポーターは過剰すぎて、今で言うなら鉄ちゃんを見るような目で見ていた。

2000年は前期優勝!2001年は一転して残留争いに。マツが代表の中心選手で、中澤、中村、波戸は当落線上にいた。(うろ覚え)

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2-3歳 幼児時代(父33)

スタジアム観戦は年に3,4回に増えた。嫁さん&子どもの調子によって出発直前に決行するか判断する状況は変わらず。なのでスタジアムに求める条件も変わらず。子どもが自力で動き回るようになり、親は落ち着いて試合を見られなくなる。ただし2時間も持たないから、たいてい途中で寝てしまう。寝てしまった子どもはすごく重い。子どもは(敵味方関係なく)チャントのリズムに反応することもあるが、サッカー自体は殆ど見ていない。

相変わらずチームグッズは買ってなかった。主にホーム寄りバックスタンド2Fにいたけど、今ほどユニフォーム着用率は高くなかったように思う。でも2002年のW杯では代表ユニフォーム(番号なし)を買って、それを着て通勤してた。チームの状況や相手チームを全く考慮していないから、新横浜に来てみたら駅周辺がめちゃくちゃ混んでて駐車場の確保に苦労したり、当日券を買うのに長い列に並んだり。さんざん席を探し回って2F最上段の見切れ席しか確保できなかった記憶もある。そういうのはホント心が折れる。

2002年はW杯で盛り上がり、リーグは2位。2003年優勝!

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4-5歳 幼児時代(父35)

スタジアム観戦は年に3,4回。嫁さんにフリータイムを与えるため、僕だけで子連れ観戦することが増えた。子どもは激しく動き回るので、試合をまともには見られなくなる。トイレにも連れて行かなきゃいけない。下の子を見ている間に上の子が行方不明になること数回。未就学児の入場は大人1人につき1人までなのを知らず、迷子対応をしてくれたスタッフに怒られた。(入場時はそこまでチェックしてなかったので入れてしまった。)その後、会社の後輩を数名招集して子守をさせる策を思いつく。この策はかなりうまくいった。

マリノスの順位などの情報を把握して、勝敗に一喜一憂するようになってきていた。会社で巨人が負けると機嫌が悪くなるおじさんがいて嫌いだったが、自分も似たようなおじさんになりつつあった。スポーツオーソリティで買い物中にマリノスの子ども用ユニフォームを見つけて買ってみた。確か安貞桓のやつ。息子は少しだけサッカーを見るようになっていた。GKが蹴った山なりのゴールキックを相手CBがヘディングではじき返すシーンを見て、ひゅーーー、ドカーーン!と叫んでいた。

2004年リーグ連覇!2005年は鳴かず飛ばず。悩める岡田監督。レッジーナ戦、ユーベ戦も見に行った。

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6-8歳 小学校低学年(父37)

スタジアム観戦は更に増えて年間5,6試合。当日券での無計画観戦は相変わらず。チケット売り場の列に子連れで並んでいると、余ったチケットをタダでくれる人がちょくちょくいた。グリーンラインが開通した後は電車で行くことも増えた。なのでスタジアムでビールが飲めるようになった。小学生になった息子はマリノスアカデミーに通い始めた。ようやく選手の名前を覚えるようになり、最初のお気に入り選手は大島秀夫。チャントを口ずさみ、フィジカルで相手DFを吹っ飛ばすシーンに大興奮していた。すげー!つええ!。大声で歌うのは良いのだけど、結構音痴で隣にいるこっちが恥ずかしかった。それと、クソ審判!とかふざけんなクソ野郎!とか悪い言葉ばっかり覚えて使うから閉口した。娘は試合前のトリコロールランドでマスコットに興味を示す。

いつの間にか自分用の折畳みトリパラとユニフォームを買ってた。3番のやつ。DFなのにグイグイ攻撃参加するのが痛快だったなあ。

2006年から2008年、8-1の試合もスタジアムで子連れで観てた。当時はゴールする度にトリパラを回してたから、8回も出したり畳んだりするのが大変だったような記憶あり。親善試合でセルティック戦もあった。

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9-11歳 小学校高学年(父40)

スタジアム観戦はますます増えた。マリノスアカデミーで保護者専用の日産スタジアム限定年チケを入手。チケット購入の手間がなくなり、いつでも思い立てば行けるお手軽さを覚えてしまった。この頃からアウェイにも行き始めた。川崎、大宮、柏、甲府、名古屋(名古屋は嫁実家あり)あたり。震災後の国立競技場開催の鹿島戦も見に行った。息子はゴール裏に行きたがるようになる。帰りの待ち合わせ場所だけ決めてスタジアム内は自由行動にしたら、学校の友達と子どもだけでコールリーダーのところに行き、隣に入れてもらったことがあるらしい。最終的には2Fのゴール裏に観戦場所を移動することとした。ビッグフラッグの下に入ったりしたらそれだけで子どもは大喜びだった。

2009年 ピクシーの革靴ボレーシュートをスタジアムで見た。2010年 最終戦の後にマツのチャントを歌い続けた。iPhoneでTwitter をやり始めた。2011年 選手の募金活動に行って握手してもらった。中澤と飯倉が娘にすごく丁寧に対応してくれたのは嬉しかった。

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12-14歳 中学生(父43)

息子のスタジアム観戦頻度はガタ落ち。娘はもう来なくなった。それに反比例して観戦回数が増え続ける僕はついに通常の年チケを買う。SC指定にしたのもこの時期かな。スタジアムで観戦中の息子は中二病全開のネガティブモードになり、選手のプレーにケチをつけまくる。失点すると「あー今日は負けだな。もう無理だな。」とか「それでもプロかよ!」とか、お前は何様だよレベルの発言を連発するから、こっちがキレそうになることもあった。

もはや毎年ユニフォームを買うのは習慣化。息子はサッカー部に入部したものの、成長痛でフィジカル系の練習について行けなくなったりして、1年たたない内にすっかりサッカー部が嫌いになってしまう。それでも褒める指導が徹底されているマリノスアカデミーには通い続けていた。子ども用の年チケも継続購入していたが、着実にお父さんボッチ観戦が増加。アウェイも1人で行くようになる。

2012年から2014年 リーグ優勝に後一歩まで迫り、天皇杯は優勝!マンチェスターユナイテッドも来たなあ。

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15-17歳 高校生(父46)

マリノスアカデミーを卒業して、高校生からは年チケが大人と同じ枠になるので、流石に更新を止めた。ボッチのお父さんはマリーシアに入れてもらう。もはや子連れ観戦じゃない… 軽音部でドラムを叩く息子はスタジアムには年1回ぐらいしか来ない。娘はスタジアムに来ないだけでなく、サッカーに対して完全に無関心となる。

2015年から2017年、CFG時代の到来。

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18-19歳 大学生(父50)←いまここ

子連れ観戦時代は良かった… (遠い目)。HUBの観戦会をきっかけに幅広い年齢層のサポーターに出会う。ずっとにわかファンのつもりだったけど、いつの間にかそれなりのベテランファンになっていたことに気づかされた。とは言え、まだまだ自称にわかファンです。

こんな観戦記なにかの役に立つだろうか。人によって家庭事情は千差万別だろうから、あくまでこんな家族もいたという事例です。今だと乳児や幼児にはファミリーゾーン(バクスタのアウェイ寄り)がある。小学生ぐらいの子どもを連れて行くなら、2Fのゴール裏はホスピタリティに溢れていてとても良いです。オススメ。少しマニアックなお子さまならバクスタ2Fのマリーシアのところにどうぞ。

スタジアムで見かける子ども達は、側から見ればいつも同じですが、実際には常に成長して入れ替わっています。当たり前ですが何年たっても永遠に〝ベテランの子ども〟になることはありません。(マリノスケを除く)そこが新鮮。

20年前の僕のような〝にわかファン〟に対しては、あまり策を練っても無駄かも。日産スタジアムはもともと〝子連れ〟に優しいスタジアムだから、ただ入りやすい席をあけておいてあげるだけで十分。←そんな結論かよ

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