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外遊びと免疫力

現代の子どもの遊びの変化の特徴として、外遊びが減り、屋内での一人遊びが多くなっていることがあげられる。これらの遊びの傾向がみられる子どもにアレルギー体質、アトピー性皮膚炎児の出現率が有意に高く、一人遊びと屋内の遊びが多い子どもには、喘息児の出現率が高い。逆に友達と外遊びをしている子どもは、アレルギーにないにくいというデータも出ています(*中岡、千葉 1994)。   

また、このような事例もあります。1996年に岡山県で起こったO-157の大規模な集団食中毒事件の追跡調査をしたところ、重症になった約1割の子どもたちの多くは、超清潔志向で育てられており、一方、無症状だった30%の子どもは泥んこ遊びをよくする子どもたちだったと報告されています。清潔思考で腸内細菌が減っている人の腸ではバリアが働かず、O-157がすみつく余地があったため重い症状を発症させてしまったと考えられています。

子どもを過度に抗菌グッズで守らせた生活させることは、免疫力を高める機会が減り、免疫システムが正常に働かなくなることを意味します。そのような対応で子どもを守るのではなく、外遊びで子ども達が友達と多様な動きを経験できるよう、意欲的に遊びたくなる環境を与えてあげることが何よりも大切です。

子どもは外遊びの中で、走る、跳ぶ、回る、登る、渡る、ぶら下げるなど、多様な動きの経験を積んでいけるようになります。そのためにも、子ども自身が体を動かして遊ぶことの楽しさを知ることや、戸外で遊びたいと思うような動機付けが必要です。そのきっかけになるのが「ボールを使った遊び」ではないでしょうか。

参考文献*沖縄県児童のアレルギー疾患の増加傾向と社会的変化

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