見出し画像

研究に没頭する大学院生がnoteを始めて学んだこと

真面目に投稿し始めて約半年が経とうとしている今日この頃。
今ではありがたいことにたくさんのコメントを頂くようになりました。

中には何回もコメントにて応援してくださる方もいて、とても励みになっています‼︎

noteは治安が非常によろしいので、アンチコメントは今のところ見当たらないのが一安心といったところです(単に人気がない説)。

また、研究ばかりしているとどんどん頭が固くなっていくので、フレッシュな質問を頂くことで自分の勉強に繋がるんで嬉しいですよね。


そんな中、ちらちらとある質問が来ることがあります。

「前提に疑問をもつ」

系の質問です。

どういうことでしょうか。


自然科学の研究は、ある疑問に対し仮説を立て、その仮説を検証するものである。

つまり、「なぜ」ではなく「どのように」を見つけるのが自然科学の理である。
(少なくとも自分はそう思っている)

しかし、この仮説の立て方に疑問を呈する方、つまり「なぜ」に興味のある質問が来る時があるのだ。

これは正直、答えようがありません
なぜならそんなものは我々が議論することではなく、そもそも根拠のない机上の空論になってしまい、自然科学の議論から逸脱してしまうからです。

例えば、じゃんけんの必勝法を研究しているとした時に、「どうせ勝つ確率は1/3なのになぜそんな研究をするんだ」とか「そもそもなぜパーはグーに勝つのか」などと言われるようなものであります。


これを自分の研究の話に置き換えてみましょう。

例えば、僕は痒みの研究をしていますが、マウスもヒト同様に痒みを感じると引っ掻き行動を起こします。

僕らはそれを「痒み行動」と定義し痒みの指標として実験をしていますが、それは果たしてマウスが痒がっている証になり得るのでしょうか。

それを直接確かめる術はないのです。なぜならマウスはしゃべらないから。所詮感覚なので、痒いとマウス側から教えてくれない限り僕たちは理解できないのです。

ただ、こちらも無責任に定義している訳ではなく、間接的な証拠はいくつも存在します。

例えば、アトピー性皮膚炎のモデルマウスを作製すると引っ掻き行動は増加するし、その引っ掻き動作は一般的に痒みを増加するとされるオピオイド受容体の拮抗薬により減少するし、挙げるとキリがありません(それは盛りすぎ笑)
よって僕たちはその行動が「痒み行動」であることを強く信じています。

ですが、直接的な証拠がない限りやはり理解してもらえない方々が一定数いるのです。


もちろん、別にどっちが悪いとかっていう話ではありません。
個人的にはよくある理系と文系の考え方の違いだと思っています、見解の相違です。

そして見解の相違だから無視していいということにももちろんなりません。

やはりそういう意見は自分の研究が逸脱しすぎないためにも貴重な観点だし、何よりその事について説明しようとするほど自分の研究への理解がより高まります


noteを続けてきた甲斐が段々と現れてきました。
この種の質問を受け続け、自分の感覚が研ぎ澄まされていったような気がします。

さらにたくさんのコメントお待ちしております!!

この記事が参加している募集

僕の研究を応援して頂ければ幸いです!