家に帰らず、我に返る。
帰り道、ふと思う。
一つのことに熱中できる人って、ホントに尊敬する。
仕事でも、趣味でも、何でも。
僕はいつも、ふと我に返ってなんか冷めてしまうことが多い。
さすがに仕事で「我返り」は少なくなったが、昔はパソコンをカチャカチャ叩いているときに、「あれ、何してんだ、おれ」と「我返り」した。
こんなことをするために生まれてきたんだっけ?と、残業中にも関わらず返りまくった。
それどころか、早く帰るために仕事してるのではないか、僕の日々の目標は「なる早帰宅」だったのかと、返りの連鎖が止まらない。
でも、家に帰るためには我に返ることをやめないといけないと気付き、我に返るのを中断する。結局、返ったのか帰ってないのかよくわからない。
遊んでいるときも同様である。
ライブを見ているとき、ダイブしたりモッシュしたり、めちゃくちゃに盛り上がって曲が終わった後のMCで、我に返る。
さっきまで同じ熱量で声を張り上げてたはずなのに、急に寒くなる。
周りを見渡し、「え、キモ…」と何故か客観的になり、冷静と情熱の間のギリ冷静になってしまう。また曲が始まったら情熱に傾き、終わったら冷静に、の繰り返しで、情緒がめちゃくちゃになる。
ライブ中、ふと「我返り」したとき、どういう思考回路を通ったかわからないが、「死生観」にまで辿り着いたことがある。
それくらいふんぞり返り過ぎてしまったのだ。
以下、僕の「我返り」の心境一覧である。
プロの方や好きな方は、気分を害したら申し訳ありません。僕も好きな気持ちは一緒ですが、もう一人の僕が「我に返れ」とうるさいのです。
ダーツをしてるときは、「え、、この針を的に当てて、真ん中に、はい…で?」
ボーリングをしてるときは、「なんでこんな重いの持たないといけないんだろ…ましてや転がすって…」
ゲームをしてるときは、「よし、レベル上がった!…で、これは人生のなんの役に…?」
山登りをしてるときは、「下りるなら、登らなきゃいいのに…」
もう一度言う。
僕も好きなのだが、一定の興奮状態に達したら、急に「我返り」現象に陥ってしまうのだ。これらを馬鹿にしているわけではないので、悪しからず。
野球選手は、バットを振りながら、我に返ることはないのだろうか。
「おれ、なんでこんな木を振り回してるのだろう」とか。
お笑い芸人は、一発ギャグをしながら、我に返ることはないのだろうか。
「なぜ、こんな言葉を人前で大声で発しているんだ?」とか。
インスタグラマーは、写真を投稿しながら、我に返ることはないのだろうか。
「Instagramに生かされてる私って一体…」とか。
皆、返ってないのかもしれない。
もし、返っていたとしても、「我返り」を乗り越えて、それでも突き進むから、仕事に、趣味に熱中できるのだろう。
だから、それができるだけで、僕は本当に尊敬するし、羨ましいと思う。
だって、これを書いているときですら「おれ、何書いてるんだろう…」と我に返っているのだから。
早く家に帰ろう。
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