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健康経営を目指す企業担当者様(総務?)シリーズ⑧(受診理由:口コミ)

先日⑦の記事では<街から街へ顧客を運ぶ際に 自社が世界中をカバーするのではなく 自社は地域限定で得意な地域をカバーして 他の遠隔地は共同運行でカバーする>と書かせて頂きました。

医師から医師へ(口コミと医療の限界)

前の記事では、<街から街へ>ということでしたが、今回は社員や組合員の健康のために<医師から医師へ>どのように受診するのか?ということを話題にします。

<街から街>への移動の場合、大きな都市であると複数のオプションがありますし、小さな街ですと選択肢が限られますが、インターネットで経路検索ができます。

同様に疾患に関しても インターネットで沢山検索ができます。交通手段のように居住地などの地域性は勿論ありますので あまり遠隔地の医療機関情報では意味がありません。 あとは、疾患や医療機関の情報に関しては結婚式やお葬式と同様に、たくさんの経験を積むことができないという現実があります。つまり知識や経験の非対称性が大きく 医学リタラシーの高くない人々が評価サイトの口コミを形成しているという面もあるということがあります。

検診などで異常が見つかった際に検診センターから医療機関の指定がなく受信した際には そのような口コミサイトを参考に受診行動が行われることになります。 多くの場合にはおいては、そのような口コミと医療従事者内での評価は大きく乖離することは少ないとは思います。

口コミ

右上はそのまま継続受診で問題ないです。左下は患者さんも気づいて他の医療機関に早期離脱するでしょう。しかし、問題は【注意①】と【注意②】です。患者さんの受診体験は【注意①】のほうが高いと思います。 しかし、本質的な疾患のケアレベルという意味では【注意②】の方がよく、医療経済的にも患者さんの負担や健康保険組合の経済的負担は少ないと思われます。

つまり、医療従事者の価値は【注意①】ではなく【注意②】への患者さんの紹介をするインサイトを持つということだと 今回のストーリーでは言えるのではないでしょうか?

 患者さんの受診体験が悪いがために評価サイトの口コミが悪い可能性もあります。しかし、口コミは悪くても患者さんが自分でネット検索しては行かない医療機関の価値を伝えて行くことが大切かと思います。 

グルメの評価サイトなどで皆様もお気づきだとは思いますが、そもそも口コミも数が少なかったり医療レベルとは関係のない待ち時間や会計の手段などを評価の対象になっていることも多いです。勿論 そこも大切ですが 重み付け係数がないまま、単なる平均の★評価を安易につけることは結局 情報そのものの価値を毀損して 医療と関係のない部分での評価をつけた患者さん自身が将来「治療してほしい!」という状況になって医療機関情報を探す際に、関係のない情報の平均値でコンタミしてしまった情報の洪水の中で必要な情報が探せないことに陥ることになるのでは?と危惧します

受診体験と疾患のケアの本質である できるだけ疾患と専門性のマッチした医療機関でできるだけ最低限の医療リソースの消費で患者さんをケア(治癒できない疾患もあるため 治すとはあえていいません)を行い、結果として医療者側そして患者さん側が医療の限界と医療機関の存在理由を理解し合いながら、疾患レベルと専門性レベルのマッチした医療機関でできるだけ最低限の医療リソースの消費で患者さんをケア(治癒できない疾患もあるため 治すとはあえていいません)を行いことがお互いにハッピーになることだと思います。

ここで強調したいのは【医療の限界】と【医療機関の存在理由】です

医療の限界

人間は生きている限り老化や死から逃れることはできません。かつ生きた時代における医療技術以上のケアを受けることができないということ。あとは政治的に決められる社会保障制度の中でしか患者さんも医療者側も対応できないということ そういった限界があるということへの理解をお互いができればいいですね!

医療機関の存在理由

上記のような限界の中で 患者さんの命や生活の質を改善するために存在しているということです。つまり、勿論 医療行為外の部分のホスピタリティや待ち時間や綺麗さなどもあれば完璧です。しかし、医療機関は医療の本質であるケアを核に構成されている以上 どうしてもソレ以外の部分とのトレードオフが発生してしまう状況があるということです。ケア以外の部分について必要以上に患者さんから攻撃があると 限られたリソースをケア以外の部分に振り分ける必要がでてきてしまい ケアレベルが低下します。そうすると 結局 見かけ上は患者さんに寄り添っているだけで負担は増える医療への流れがおこり 患者さんが不利益を被ってしまうブーメランになってしまう可能性があるのです。オレゴンルールというものがあって、下の記事からの抜粋ですが

アメリカのオレゴン州の健康福祉保健局の一係員が作ったルールです。

「いつでも受けられる医療」「質の高い医療」「安い医療」、この3つのうち国民が選べるのは2つまで、1つは犠牲にしないといけない。

日本は国民皆保険の前提の中 この3つを成り立たせようと努力してきました。しかし、、、、


続きは次号

気になった健康経営を目指す企業担当者様(総務?)ご連絡お待ちしています!(井手 武 tokyoeyeasagaya@hotmail.com)


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