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⑦クリニックの後ろ向き研究に特化した倫理委員会設立の可能性⑦【RECお願いされる側】

先日の投稿では【他院のRECに依頼する側の視点からみた建付け】について書かせていただきました

そこで買い物サイト・旅行サイトのように
・検索ができる(価格・日程・専門性など)
・人づてではない
・手続きフォーマットの共通化(RECによって準備が異なると面倒)
・問い合わせを減らす

というのが前回のまとめでした。 これは依頼されるREC側からの視点ではどうなんでしょうか?

RECがSEO対策されていないのはなぜ?


RECについて検索をGOOGLEでしても広告が1件も出てこないわけです。(あくまで私の調べ方が悪いのかもしれませんが)
せっかくコストを掛けて作ったIRBやRECを外部にも積極的に宣伝・公開して有効利用すればコスト分をペイできるのに。私が既存のIRBやRECの創設者だとしてのマインドをかってに想像してみます。


RCEが規模拡大?IRBが規模拡大?


※IRB=Institutional Review Board 施設内審査委員会
※REC= Research Ethics Committee 倫理審査委員会

厳密な定義は異なると思いますが 単純化のために IRB=内部向け REC=外部向け と定義します

RECメイン

真野先生がされているような(以前著書を読ませていただいたことあります)NPO MINSは自院というものを持たず外部向け特化のRECです。これはNPOとうたっていても当然 事業の継続性のために損失を出し続けるわけには行きません(あえて利益を出し続けるとは書きませんでしたが 当然黒字体質に持っていかなくてはなりません)


最新の議事録をみても 製薬企業のものを複数扱っております。こういった大規模なものを継続的に受ける仕組みをお持ちです。つまり上図の右上の象限になるわけです。

IRBメイン

大部分のIRBは小規模なクリニックや医療機関のもので自院のためだけに存在しているものが多いと考えられます。一部外部にも公開しているIRBが検索結果から見られますが

手順書がPDFなどで置いてあり  依頼費用も書いておらず よし依頼してみようという簡単な作りにはなっていないのです。
多分 費用負担をすれば「言ってくれたら喜んで対応させてもらいますよー」というところもあるとは思いますが その表明がないため 躊躇してしまうんです。 やはり問い合わせ不要の明朗会計が必要で そういった思いから こういったこともテストとして行っております


やはりすくなくてもGOOGLE FORMのような簡単な形式で順番で行っていけば 依頼が終わるような形式でないとやろうという気持ちにはなりません。先日もFREEEの法人設立が簡単だと書かせていただきましたが

こんな感じで出来るようにしたいなと現時点では考えております。


大病院(IRB機能とRCE機能)


大学病院のような大規模医療機関は当然IRBを設置しておりRCEも外部に公開しているところが多いです。


こういった しっかりしているだろうなと思わせるところで全てのSTUDYが審議されれば良いと思います。
しかし 繰り返しになりますが いま議論している大前提は 【倫理委員会の審議が必須では無いと言われるような少数例の症例報告や後ろ向きデータ解析限定のSTUDY】についてです。
そういったものを大規模医療機関の倫理委員会に出すのは、例えて言うなら 地域で経過観察できる一般疾患を リソースの限られた多忙な大学病院などの専門の尖った忙しい先生に紹介するようなものです それは大学の先生にとっても患者さんにとってもHAPPYな受診体験にはならないはずです。


この3つの審議委員会のうちどれがTARGETに?


上図RECメイン(右上) IRBメイン(左下) IRBとREC(左上)のうち どれが小さなSTUDYのRECを受け入れるのが全体のリソースの適切配分になるでしょうか?

繰り返しになりますが 大前提は【倫理委員会の審議が必須では無いと言われるような少数例の症例報告や後ろ向きデータ解析限定のSTUDY】です

さきほど左上の大病院のものではないでしょう!と書かせていただきました。そして右上も大きな治験や臨床研究のようなコストも掛かるが収入も多いといった審議を行うとビジネスの収益構造になっています。 意義があるからといって 我々がターゲットとしているようなSTUDYの審議をすると存続が危うくなります。

となると これまで外部に積極的にREC化していない 小さなIRBにお願いするのが現実的な解ということになります。

しかし、これまでそういったIRBは積極的に公開していないわけです。なぜでしょうか?

疲れたので今日はここまで

SHARED RECということをしたいのです

このNYAUWという活動の発露は2015年に社会人大学院に入学したときから変わっていません。

医師の知識、経験や医療資源の有効利用により、患者、医師、社会の関係をサステイナブルなものにしていくことを大きなビジョンとしています。外部の方々では理解し難い共通の暗黙知のある専門家同士のハードやソフト共有・有効利用を考えております。

このあたりの理解のある方々と議論を開始できればと考えて キックオフスライドを作り始めました。

難しいのは重々承知ですが

クリニックデータの後ろ向き研究に特化した全国レベルの倫理委員会の設立の可能性を自分がするかどうかは別にして提案したいと思います。一緒にやりませんか?そんな倫理委員会成り立たないと思うかもしれませんが やはり日常のROUTINE症例の中にいろんな真実が隠れていると思うので。
難しいのは重々承知ですが 


現時点はありえない夢物語かもしれませんが、まずはハードルの低い後ろ向き研究の倫理委員会から適切&簡便に承認できるシステムを構築できればなーと(大切なのは簡単というと審査も簡単と思われるかもしれませんが 審査は適切にです 自院のIRBよりも外部のRECのほうが忖度が発生しないので 良いかも という考え方も成り立ちます)


一緒に議論参加してもいいよという医師や弁護士、治験会社、製薬企業などの方々の連絡お待ちしています

メッセンジャーかメール tokyoeyeasagaya@hotmail.comで)




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