DAO誕生による過ぎし頃の経営学の成就
DAOと経営学に何の関係があるの?という声が聞こえてきそうですが、実は意外なところで繋がっています。
経営学は基本的に「企業がどう稼ぐか」を解く学問ですが、
実は20世紀初頭、「そもそも企業とは何か」という哲学的な視点で切り込む経営学がドイツに存在しました。
その名も「経営共同体論」。これがめちゃくちゃ面白い。
簡単に説明すると、以下のような論理展開です。
企業は「同じ志や目的を持つ者が集まって作られる組織」
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労働者は買われた(buy)のではなく、参加(join)したのだ
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つまり、経営者と労働者は対等な存在
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経営決定は一緒にすべきだし、稼ぎも山分けすべきじゃろ
子供のように純真無垢な主張だと思いませんか?
「そりゃあんた、言いたいことは分かるけどさ、ねぇ?」
多分、当時の疲弊した労働者本人でさえ恥ずかしくて言えない、無謀で歯の浮くような話です。
結局、周りの学派から「空想的」と笑われて、今日まで残ることは叶いませんでした。
それでも、私は稼ぐためのハウツーの話が多い経営学の中で、唯一「ビジョン」と呼びうる考え方だったんじゃないかなと思っています。
そして、当時バカにされたこのビジョンは、100年の時を経て、いま現実になろうとしています。
そう、DAOの誕生です。
上でお話した論理展開はまるでDAOとは何かを華麗に説明した文章のように見えないでしょうか?
何を言いたいかというと、DAOとは経営共同体論の願いが形になった仕組みという見方もできるのではないかなと思うのです。
彼ら研究者が現代にタイムリープしたら腰を抜かすでしょう。
労働者の蜂起でもなく、政治・社会制度の力でもなく、まさかITという謎の力で実現されているのですから。
「とーくん?とかいうの研究したいから過去に持ち帰っていい?え?モノじゃないってどゆこと!?」
人間が想像しうるものは、いつか必ず現実になる。
そんな学びが得られた気づきでした。
そして私も彼ら研究者のように、
ビジョナリーな人間でありたいなと思います。