「ちゃんとして!」ってよくわからん
「あ、ほら、こぼすから、ちゃんとして!」
「ちゃんとすわって!」
ちゃんとってなんだ?
あらためてこの言葉を考え直すとなんとも残念すぎる表現で情けなくなった。
仕事におきかえると、「これ、ちゃんとやっておいてね」という指示である。これもひどい。
結局子育ても、仕事も「伝える」ということはとても重要で、この手法を認識しないだけで周りみんなが迷惑する。
子供に言う場合こんなステップだ。
夕食がはじまり、次女の椅子がとても斜め、このまま食事を進めると確実にこぼすこと間違いなし。だからこう指示をした。
「ちゃんと座って」
これは自分の指示イメージが相手に伝わるだろうと信じて言っている。しかし子供にはコンテクストが強すぎてよく伝わらず椅子は斜めのまま背筋をピンとして座っただけだった。
それに対して、「そうじゃないよ!椅子をまっすぐにしてちゃんと座りなさい!」
ここでもまた「ちゃんと」と言ってしまっている。このようにすれ違うコミュニケーションが繰り返され、親は子供にイライラして理不尽な怒りをぶつけてしまうこともある。
仕事もしかり、部下に指示をして想定通りの結果が得られずイライラする。部下の能力が低いだの、遅いだの自分の「伝える」能力を棚に上げて言いたい放題になりがちだ。
結局のところ、人が想定通りの動いてくれないのは私自身の努力が足りないだけであって、相手は関係ないと言うこと。つまり伝える側に9割非があるのであって、残り1割は相手があえて聞こうとしないようにしているだけだろう。
今度子供に何か話すときは「ちゃんとして!」を使わず、もっと具体的に「椅子が斜めだからまっすぐ直して、正面にいるお母さんと目が合うように背筋を伸ばして食べなさい」と行動レベルで話すようにしてみる。
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