『ショーシャンクの空に』のちょっと不思議な場面


 はーい、テツガク肯定です。


 随分、遅れてしまいましたが。
 『ショーシャンクの空に』という映画を観て。
 少し不思議に思ったシーン、場面があります。

 それは前半で、アンディさん達、新人が刑務所にやってきた夜の話です。
 誰が一番最初に泣き出すか、みんなで賭けていた場面です。
 たしか、ヘイウッドさんが賭けた人が泣き出したような気がします。

 その泣き出した人は言います。

 僕はここに来るはずじゃなかった。
 間違いです。

 間違いなんです。
 僕はこんなところに来るはずじゃなかった。


 そう訴えます。


 まあ、賢く観れば。
 一般的なよくあるシーンです。

 しかし、私は愚かです。
 特別、隠された意味などないと思っていますが。

 この夜、看守に殺されてしまった人とアンディさんは。
 ある意味では同じで、その対比になっているのでは?
 なんて思ってしまいました。


 つまり、アンディさんも彼も。
 本当に間違いでそこへ来てしまった。

 彼はそれが受け入れられないから。
 その夜にそれを訴え、帰るべき場所へ帰った。
 ただ、その事実が周り、視聴者も含む人には。
 帰るべき場所へ帰るという現象が死という形で見える。

 しかし、当の本人は希望通り。
 本来いるべき朝に目覚めているのかもしれません。
 ああ、なんて酷い夢をみたんだ。
 あんなこと、早く忘れよう。

 一方のアンディさんはというと……。
 語らずとも、その後はご存じですね。


 おい、ちょっと待てよ。
 それじゃ、アンディさんも彼にみたいに訴えればよかったのか?
 もちろん、そうしてもよかったのでしょう。

 しかし、私はアンディさんが欲しかったものが。
 そこにあって、それにアンディさんは無意識に気づいていた。
 だから抗わず、されど流されず、乗ることなく、無実だと主張し続ける。
 そういう生き方をして。
 最終的には模範囚から脱獄犯になって帰る、帰るべき場所へ。
 今までとは対照的な生き様で、新しく人生を始めたのかな、と。

 愚かなFRの特異の想像力が暴走しています。


 実は、私にもそういう覚え……。
 いえ、刑務所ではないのですが。
 何度も夢で酷い目にあって、必ず死という現象から目覚める夢。
 それを何度も見てきました。

 マシンガンでハチの巣にされたり。
 高い場所から落ちてみたり。
 誰かに刺されたり。

 まあ、ろくな形ではありません。
 夢の中で死んで目が覚める。
 しかし……あれは本当に夢だったのだろうか?
 そう思うほど、妙にリアルな夢で。
 そうです、『インセプション』のような夢を。
 それを観る前から、よく見ていました。

 そういう夢を見た私には。
 あの前半の場面は既視感を思い出す。
 まるで、デジャヴのように、です。


 変なことを言いましたが。
 こんなもの考察でも何でもありません。

 ただ揺るがない事実として。
 二人の人が自分はここにいるべきではない。
 そう、思っていたのは事実でしょう。

 そして、その二人の結末が違うのも。
 揺るぎようのない事実です。
 それをどう考えるかは、あなた次第です。


 あなたは……何か不思議に感じた場面はありますか?


 それでは、また次の機会にお会いしましょう。






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