アッシージの聖フランチェスコ
Francesco d'Assisi
アッシージの聖フランチェスコ(Francesco d'Assisi、本名 ジョヴァンニ・ディ・ピエトロ・ディ・ベルナルドーネ Giovanni di Pietro di Bernardone、1182年 - 1226年10月3日)
アッシージのフランチェスコは有名な聖人のひとりです。イタリアの守護聖人で、ヨーロッパ史とキリスト教史を学ぶ上では絶対に外すことができない人物です。
フランチェスコは1182年、ウンブリア地方のアッシージで、裕福な毛織物の商家に生まれた。母親は、フランス貴族の家系出身だったという。若い頃は、家の金に飽かせて放蕩の限りを尽くした。1202年にペルージャとの戦争に参加したが、アッシジ側は敗北し、そこで捕虜となった。1年余りで釈放されたが、重い熱病にもかかり、その肉体の苦痛から回心を経験した。財産をすべて捨てることを決意し、修道士となった。アッシジの近郊で祈祷と廃寺の修復、癩患者の看病を続けるうち、「主の家」を再建せよという神の声を聞き、マタイによる福音書にあるとおりの三カ条だけを会則とした修道会を発足させた。はじめはフランチェスコの説教を聞いた二人だけが会員だった。これがフランチェスコ修道会(当初は「小さき兄弟団」)のはじまりであった。その後、フランチェスコ修道会が托鉢修道会として正式に認可されるのは1223年のことである。1224年にキリストと同じく両手両足、そして脇腹の5箇所に傷を負う聖痕を受け、1226年に故郷アッシジでこの世を去った。
人物のみならず神のあらゆる被造物は天とマリアの子ども達であり、平等に愛すべき存在であるという「万物兄弟の思想」を持っていた聖フランチェスコ。伝説の多い人物ですが、動物と話ができたという記録も残されています。有名なものとして、鳥に向かって説教を行った話や、狼を説得して回心させた話などがあります。
「小鳥への説教」のエピソード
修道会から離れた晩年のフランチェスコは、孤独な隠棲生活に入り、森の中の小屋に住み、小鳥たちに説教をしたと伝えられています。小鳥たちは枝から地上に降りてきて、さえずりをやめて彼の言葉に聞き入り、祝福をあててもらうまで飛び立たなかったといいます。画像はその場面、ジョットの作品です。
Predica agli uccelli, Giotto, 1290-1295 circa, affresco, 270×200 cm
アッシージのサン・フランチェスコ大聖堂/Basilica di San Francesco d'Assisi
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