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フラ・アンジェリコ

Beato Angelico

1400年頃にフィレンツェ近郊のヴィッキオというところで生まれた彼は、本名をグイード・ディ・ピエトロといいます。

彼は、ドメニコ修道会の画僧として、生涯を通じてキリストにまつわる物語を清らかな美しさで描き続けました。

活動初期の頃は、ロレンツォ・モナコに代表される後期ゴシックの名残をとどめた作品を描いていましたが、次第にマザッチョの造形性や遠近法を用いた空間処理を取り入れ、さらに、ドメニコ・ヴェネツィアーノやピエロ・デッラ・フランチェスカの光による空間把握、明るい色彩による優美な表現を加え、フラ・アンジェリコ独自の玉虫色に輝くやすらぎをたたえた画風を確立しました。

フィリッポ・リッピと並びフィレンツェを代表する画家に数えられ、サン・マルコ修道院のフレスコ画装飾が有名です。彼はこれに、1438年から45年まで8年間を費やしています。

修道士の祈祷のための小部屋に描かれたフレスコ画群は、建物と完全に調和し静謐な空間を作り出しています。このような形でフレスコ画を鑑賞できるのは、世界でも非常にまれな例です。

彼は、修道士という立場から、「絵を通して人々に神の世界を広める」ことの有効性をはっきりと理解している画家でした。その篤い信仰心によって描かれた絵は、他の画家がまねすることのできない深い精神性をたたえています。

人々は彼のことをフラ・アンジェリコ(天使のような修道士)、あるいはベアート・アンジェリコ(天使のような福者)と呼んで敬愛していました。

晩年、彼はフィレンツェ大司教の座に推薦されましたが、神から与えられた画僧としての仕事を続けたいからといって、辞退してしまいました。

画像2Annunciazione, Beato Angelico, 1430 circa, Tempera su tavola, 175×180 cm, Cortona, Arezzo, Toscana

画像3Annunciazione, Beato Angelico, 1440 circa, Tempera su tavola, 195×158 cm, Museo della basilica di Santa Maria delle Grazie, San Giovanni Valdarno, Arezzo, Toscana

画像4Annunciazione, Beato Angelico, 1426 circa, Tempera su tavola, 154×194 cm, Museo del Prado, Madrid, Spagna

画像5Annunciazione, Beato Angelico, 1440-1450, Affresco, 230×321 cm, Convento di San Marco, Firenze


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ヴィッキオ/Vicchio

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