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オレ流!中古住宅の探し方

<前回のおさらい>

前回は一級建築士で、住宅の設計の仕事をしている私が、なぜリノベーションを選択したか、その背景は何かについて書きました。
写真家なりたての妻の写真スタジオが併設できるような一戸建てに住みたいけど、新築だと予算的に不可能ということで、リノベーション の可能性にかけてみようと考えました。
いざ中古物件探しに挑んだのが今回のお話です。

<中古物件の探し方>

実家や親戚の家を譲り受けてリノベーション する訳ではなかったので、まずは候補となる物件探しが必要でした。
物件探しでやったことはたったひとつだけで...
「Facebookに不動産条件を書いただけ」
 ■金沢市内
 ■1000万円程度
 ■築年数問わず
 ■写真スタジオ併設できそうな広さ
以上です。
当時600人以上の友人がいて(今は少し増えた)、建築や不動産の仕事に関わっている人も多かったので、誰かしら助けてくれるだろうと信じていました。

結果、一週間で理想的な物件を発見!
さらに一週間後には夫婦で内見し、8割りぐらい気持ちを固めました。


不動産は常に流通して動いているものなので、突然の出会いや何かの縁が引き寄せてくれるものだと思います。
私の場合、運が良かったとしか言いようがないんですが、不動産関係者に条件を共有して、見つかり次第教えてと頼むのがスムーズな見つけ方になると思います。
不動産屋さんは土地が得意な人、中古物件が得意な人、古民家が得意な人といったように得意不得意があります。
エリアでも得意不得意があります。
自分達では判断できないのは当然なので、専門家に相談して人を紹介してもらうのが手っ取り早いです。
ここで一つ疑問が浮かぶと思います。

「インターネットで沢山のってるじゃん!そこで探せばよくない?」

そう思う方がいると思いますが、そこに載っている情報は余り物である可能性があるんです。
建築関係の企業と仲良くしている不動産屋さんは、有力な物件情報が手に入るといち早くその企業にお知らせしてくれたりします。
そこで成約というパターンがあって、その場合はインターネットで公表されることもありません。

全てがそうとは限りませんが、有力な物件は専門家のネットワークで取引され、一般の方が目にするインターネットはその余り物となるわけです。

さて、内見で8割気持ちを固めたわけですが、残りの2割の気持ちをどう固めたかというと、インスペクションによるものです。

<インスペクションとは>

インスペクションとは、専門家による建物調査のことを言います。
今回は、自分自身が専門家ということですが、念のために同僚にも協力してもらい、内見から数日後にインスペクションをしました。
インスペクションでは室内外の状況、柱や梁、基礎といった構造的なこと、雨漏れ被害、シロアリ被害などを確認します。

中古物件で今後の建物の寿命、直して使えるかどうかの判断は、床下や天井裏を専門家の目で見ないと判断できません。
逆に、専門家無しでの判断は失敗の原因になり得るということです。
今回の住まいでは、構造上問題を起こす可能性がある6/1000以上の柱や梁の傾きも無く、シロアリ被害はあったものの取り替えが必要なぐらい深刻なものではなく、雨漏れも見つかりませんでした。
解体後に撮った写真ですが、シロアリはこんな感じで蟻道(ぎどう)を作って、少しだけ土台を食べていました。

<物件探しで大事な2つのこと>

最後に、物件探しで大事な2つのことをお伝えします。

1.中古物件が得意な不動産屋さんにいち早く相談する
2.建築の専門家に同行してもらって内見する

この2点さえ押さえておけば、理想のリノベーション ができる可能性がグッと高まります。
次回は、「スピード勝負!物件を見つけてから売買契約するまで」についてお話します。

建築と写真で素敵な生活のサポートをしたい