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価値観の違いを受け入れること

「こうした方が絶対にいい」
民間企業に務める私は、つい最近まで既存の組織の問題を洗い出し、改善に繋げることはすべてのメンバーにメリットがあり、組織の成長のために無条件に良い事だと思っていた…

先日、古くから存在する組織に入った時、活動の目的の共有ができておらず、広報の弱さによる年々のメンバー減少など多くの問題があることに気が付いた。このままでは、現在のメンバーも面白さを感じにくいだろうし、将来へ活動を継続するに限界や支障が出るだろうと直感した。

しかし、いつもの悪い癖で、改善のための余計な一言を言ってしまう私が、今回は初めて意見はしないでおこうと思ったのだ。なぜなら、そこのリーダー達は、これまで自分たちが積み重ねてきた運営ノウハウを信じて、その不自由さも含めて心底楽しんでいると感じたからだった。

今回の自分は、組織改善をするミッションを与えられているわけではないので、彼らが築いた楽園を奪ってはいけない。例えばキャンプを楽しんでいる人に、高級ホテルのほうが楽しいと勧めることはしないのと同じだ。今回ばかりは、自然の流れに任せ、たとえこの組織が長続きしなくても、今を楽しむことが彼らにとって一番幸せなのだろうと感じた。

この世の中は、合理的で生産的なことばかりが最善とは限らない。もっと楽になることを望む人もいれば、最低限の材料で人一倍楽しんでいる人もいる。何が良いかは、その人の心の価値観が決めること。最新の知識や技術は、それが必要な人に行き渡れば、それでいいのである。

これからは、いろんな人の価値観に触れることを楽しみながら、ゆっくりと生きていくことにしようと思う。

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