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「冷コー」


近所の昭和感が色濃く残る喫茶店で「冷コー」を注文すると、大抵真っ黒なアイスコーヒーが運ばれてくる。
「冷コー」というのは大阪特有の言い方だ。

私は濃いコーヒーが苦手なので、テーブルに置かれた「冷コー」をなだめるようにカラカラと混ぜて味が薄くなるのを待つ。

すると回転するストローによって弾き出された氷は表面に多少汗をかいたガラスケースにあたり、風鈴に似た「カランッ」という音を立てる。

もう夏が来るのか。

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