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チャレンジングな1年の終わり。

2022年11月13日に書いた日記
こんなことを綴っていました。



『 U-14新人戦。0-1で黒星スタート。
 緊張を差し引いても実力不足だった。
 そこを具体的にフォーカスして
 ひとつずつできるようにしていくこと。
 この1年こそ、オレ自身のチャレンジ。やったるぞ 』



あれから約1年。

中学3年生にとって最後の公式戦となる
「福岡県クラブユースサッカートーナメント」
1回戦を4-0、2回戦を3-0で勝ち抜いたものの
先日行われた準々決勝の試合は
この年代の福岡県王者に2回なった相手に0-1で敗戦。

中学3年生にとっても自分自身にとっても
チャレンジとなる1年が終了しました。




U-14新人戦の初戦で負けたとき
自分自身への不甲斐なさで頭がいっぱいになり
刺々しい感情に支配されていました。
でも気合いを入れてその感情から離れて
客観的な視点に立ってみようと試みることに。

まず、なんで「気合いを入れて」なのか。

自分の場合
公式戦で負けてしまったとき
客観的な視点を持って
様々な理由を探していくことが
言い訳を探しているように思えてきて
そんな自分が許せなくなってくるという
訳のわからない面倒くさい部分があるため
そこから離れるためには気合いが必要で。

といっても
アントニオ猪木ばりのビンタを
自分に食らわせるわけでは決してなく
しつこいくらいに深い深呼吸をしまくるという
とびっきり地味な気合いの入れ方をして
刺々しい感情から離れ客観的に振り返ってみると


「 自己肯定感の低い選手が多いこと 」


という理由に行き着きました。

周りの目を気にしてチャレンジを躊躇ったり
上手くいかないとすぐに諦めてしまったり
だからプレーに思いきりがないため
イメージ通りに行くことが少なかったり。

この年代のひとつ上のメンバーは逆に
自己肯定感の高い選手が多く
自己表現ができ、プレーにも決断力がありました。

なので
チームとしても福岡県の上位に入れたり
九州大会にも2回出れたりという結果も出ていて。

ひとつ下の学年として
そんな結果を目の当たりにしてきただけに
自己肯定感を育むことは
さらに難しかったのかもしれません。

じゃあ、
そんな彼らの自己肯定感をどうやって高めていくのか。

まずは自分の中で
ひとつ上の年代でのやり方やアプローチなどを
一度頭の中から完全に外すことにしました。

これって、メンバーも違うんだから
本来は当たり前のことだと思うのですが
ちょっとした成功体験があっただけに
意識的にやろうとしないとできないことでした。

で、そうした上で
この世代に対してやろうと決めたことは
成長を促していくときにできる限り
メンタル側からのアプローチをしないで
とにかく「できることを増やしていく」こと
できたことを「ハッキリと言葉にしていく」こと
そして「引き締めて集中させていく」よりは
「緩めて夢中にさせていく」空気をつくることでした。

県2部リーグの開幕戦に1-3で敗れた後
選手たちにこんな話しをしました。


「 今年の県リーグは
 前期と後期それぞれ9試合ずつ全18試合あるけど
 前期は結果のことは一切気にしないでいこう。
 個人としても、チームとしても
 この舞台でできることを
 とにかく増やしていくことのみに集中して。
 でも後期は、意識的に勝ち点を奪いに行くぞ 」


前期日程終了時点での成績は「2勝5敗1分」
後期は「5勝2敗3分」(延期分も含め)と
実際に勝ち点を積み重ねていくことができました。

じつは開幕4連敗スタートだったのですが
その4試合目1-2で負けた後に何の強がりもなく
「このままで大丈夫だ」と思えたことがありました。

個人としての思いきりや
チームとしての連動感に
これまでにない手応えを感じていて。

その直感を疑わないように丸ごと受け入れて
選手たちにも素直にそれを伝えました。

この翌試合で、連敗から脱出。

4連敗した後に
自分の頭の中が結果に支配されずに
内容にフォーカスできていたこと
それをそのまま受け入れられたことは
自分にとって新しい経験で
嬉しい実感となりました。




そして最後の公式戦となった
クラブユースサッカートーナメント準々決勝でも
格上相手に真っ向から勝負を挑み
粘り強く戦うだけでなく
個人やグループで崩しにかかって
決定的チャンスも複数回作り出していて
1年前には想像できない程の成長を見せてくれました。

本当に素晴らしかった!!



リーグ戦の最終順位は6位で
1部に昇格することはできませんでした。

新人戦やクラブユース選手権では
九州大会に出場することもできませんでした。

この1年間
途中で辞めてしまう選手が出てしまったり
受験への不安で夏から休会した選手が多く出たりと
精神的にキツイことも多々ありました。

でもだからといって
彼らが示してくれた成長は変わらない事実だし
それがとてもとても誇らしい。心からそう思えます。

自分自身も指導者として
これまでにない手応えを感じることができ
約25年程の指導者人生の中でも
印象に残る1年となりました。

中学3年生たち
本当にありがとう、ありがとう、ありがとう。

卒業までの半年くらいの間に
さらなる成長を見せて
驚かせてくれることを期待しています。



最後に
吉本ばななさんのこの言葉を中学生たちへ。
それと、自分自身にも。


『 何かが終われば、必ず何かが始まっている。
 それを見るか見ないかだけが、私の自由なのだ 』


せっかく始まったのなら、やっぱり見るのだ。
そしてまた、あれこれチャレンジするのだ。




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