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自分ならではの違いを見つけ出していくこと。

1ヶ月ほど前
中学3年の選手とLINEのやり取りをしたときに
ふと彼のステータスメッセージを見ました。

ステータスメッセージとは
LINEのプロフィールに文章を入れられる機能のこと。

なーんて偉そうに説明してますが、中学生たちに
「え、コーチ、ステメ知らないんですか!?」
と馬鹿にされながら教えてもらったのですが…(笑)

で、彼のステメには
サッカーへの思いや名言などが綴られていて
その中にあったこの言葉に
心撃ち抜かれてしまいました。


『 優れるな、異なれ 』


すぐさま、自分のステメに設定。


そんな流れで他の選手のも見ていたら
キャプテンがその日の練習で話したこんなことを。


「By 哲さま」やろー(笑)

まぁ、なんにせよ
言葉はその人の思考の枠を作ってくれると思うので
心に響く言葉にどんどんと出会っていってほしいです。


今シーズン戦ってきた
『福岡県U-15リーグ3部B』が終了しました。

9戦全勝で1位となり
来シーズンの県リーグ2部への昇格が決定。

チームにひとつの形を残してくれた中学3年生たち
ひとまず、どうもどうもありがとうでした。
(これからまだ高円宮杯1次ラウンドがあります)


結果を残してくれたことはもちろん嬉しいのですが
それ以上にバンザイなこともありまして。

それは「己を知る」選手が増えてきたこと。

特に、身体能力で劣りがちな選手たちが
それぞれにできることを磨いていって
チームの中で、試合の中で
違いを見せられるようになってきました。

ある選手は
ボールがない場面での動き出しの速さで違いを。

ある選手は
相手に接触されない隙間でパスを受けることで違いを。

ある選手は
相手の動きをギリギリまで観て逆を取ることで違いを。

これまでの約40年近いサッカーライフで
このスポーツを通して一番身についていったものは
自分自身の強みや弱みを知ること
そしてそれを集団の中や試合の中で
どう生かしていくのかということでした。

小・中・高・大学でのチーム
社会人チーム、ブラジルでのチーム
そして、コスタリカでのチーム
いろいろな考え方の指導者のもと
いろいろな特徴をもった選手が周りにいて
その中で自分には何ができるのか
また、できないのか(これを認めるのは怖かった…)
それは技術的なことだけではなくて
パーソナリティ的な部分も含めて。

そんなことをいつも自問自答しながら
練習や試合をやってきて
喜んだり、悲しんだりなど
様々な感情を行ったり来たりしてた気がします。

で、思えたことは

「強み」×「弱み」=「自分ならではの違い」

自分の場合は
予測を立てながらコーチングすることは得意だけど
瞬発系のスピードがないので1対1の対応は苦手。

だから
できる限り具体的なコーチングで仲間を助けつつ
周りに常に仲間がいる状況を作り出して
苦手な1対1の状況にならないようにしたり。

そんなことを試行錯誤していたら
いつのまにか自分ならではの
プレースタイルみたいなものができていました。

得意なことが先にあって苦手を埋めていったのか
苦手なことが先にあって得意が伸びていったのか

今となってはどっちが先かまったくわからないですが
得意も苦手も表裏一体なんだとは思います。

だから、得意も苦手も、強みも弱みも
まずはそれ自体をそのまま受け入れてみようと。

そこから始まることはいっぱいあるし
むしろ、そこからしか始まらないことが
ほとんどじゃないかという気が今はしています。

そして、弱みも受け入れた上で
誰かのために強みを発揮できるようになったとき
それまで感じられなかった種類の「喜び」が
身体全体で味わえるようになっていくんですよね。

ちょっと大きく言っちゃうと
もしサッカーでそんな状態になれたら
生きること自体が喜びになっていくんですよね。

結構、本気でそう信じています。

だから中学生のうちに
まずは自分の強みや弱みを知って、受け入れて、
違いを育んで、発揮できるようになって
今までにない大きさの喜びを少しでも体感して
高校年代のサッカーに飛び込んでいってほしい。

で、満面の笑みで
「Pura Vida!」(素晴らしい人生だよ!)
と言える人生を歩んでいってほしい。

なんてことをずっと願いながら
指導現場に関わってきているので
ここ最近の中学3年生たちの
「己バンザイ」が出てきてる感じは
たまらなーく嬉しかったりするんですよね。

そう、みんなとの違いがあるからこそ
誰かを助けることができて
誰かに助けてもらうこともできるんだ。

さぁ、また、ここから。


優れるな、異なれ。




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