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堀口恭司vs朝倉海を予想。朝倉海の勝ちが濃厚か。過去の試合映像から考察する。そして、平本蓮やその他の試合も予想。

明日はいよいよ大晦日。

2001年の猪木祭から大晦日格闘技興行が始まってから今年で20年目という記念すべき大会「RIZIN.26」が格闘技の殿堂さいたまスーパーアリーナで開催される。

その大会のメインを締めるのが今年の日本格闘技興行において最大のビッグマッチ。ファンが昨年から待望した一戦「朝倉海vs堀口恭司」のリマッチである。

国内の格闘技興行でここまで注目を浴びる日本人頂上対決と言えば、記憶に新しい今年9月にあった那須川天心vs皇治や2年前の9月に行われた那須川天心vs堀口恭司と言った他流試合的な要素のある"異種格闘技"的な一戦を除けば、私個人の感覚では2008年K-1WORLD MAX世界トーナメント準決勝で行われた魔裟斗vs佐藤嘉洋戦以来ではないかと感じる。その競技の枠の中で実現した日本人頂上対決だ。

この日本人同士のビッグマッチを本記事では両者のファイトスタイルの特徴やストロングポイント、ウィークポイントを過去の試合映像を踏まえて予想していく。

(1)堀口恭司の強さと弱さを振り返る

まず、堀口恭司の特徴を再確認するため、2015年以降RIZINに参戦してから印象に残った試合を振り返ろうと思う。

今回振り返るのは対戦相手の朝倉海はオーソドックスの打撃ベースのストライカーである為RIZINに参戦して以降の「vsストライカー」というところに着目する為、まずは昨年末に朝倉海にKO勝ちしたマネル・ケイプ戦。

そして堀口自身とコーチのマイク・ブラウンが今回の朝倉戦で勝利の鍵だと言う「総合力」と言う点に着目する為、立ち技と寝技の攻防両方の展開が最も見えた扇久保戦。

最後は朝倉海との前回の試合を改めて見てみようと思う。

①RIZINバンタム級トーナメント2017 準決勝 堀口恭司vsマネル・ケイプ

②RIZIN.11 堀口恭司vs扇久保博正

③RIZIN.18 堀口恭司vs朝倉海

(2)堀口恭司のファイトスタイル・ストロングポイント・ウィークポイント

・堀口恭司のストロングポイント

①バックボーンである伝統派空手を生かした構えと攻撃。MMAにアジャストさせたファイトスタイル。フェイントを多彩に織り交ぜながら遠い間合いから一瞬で踏み込むパンチと軽量級の中でも突出した瞬発力。

打撃主体のストライカーであるがオールラウンドに組み・寝技の攻防にも高いレベルで対応が出来る。元Belatorバンタム王者ダリオン・コールドウェルや後に朝倉海を撃破しRIZINバンタム級王者となるマネル・ケイプ相手にもグラップリングで一本勝ち出来る極めの強さも兼ね備える。打撃にタックルや投げを織り交ぜているシーンも時々ある。

③基本どんなファイトスタイルの選手にも対応出来る為、極端に相性の悪いタイプは少ない。2015年以降ATT(アメリカン・トップチーム)に行って以降は打・投・極の3つを最も使いこなした歴代最強の日本人MMAファイターである。

ストロングポイントは私が個人的に思うに大きく分けてこの3つ⇧であると感じる。

では、続いて弱点に入ろう。

・堀口恭司のウィークポイント

堀口恭司の弱点はストロングポイントでもある伝統派空手を生かしたファイトスタイルであるがゆえ、遠い間合いから踏み込むようにパンチを放った際、顔面がガラ空きになりやすい。前回の敗れた朝倉海戦はここを突かれたわけだ。

そして、近い間合いになった際パンチを被弾しやすいのだ。

堀口のファイトスタイルはキックボクサー出身のストライカーのように両手で基本ブロッキングしながら距離を詰め、蹴りやパンチのジャブを突きながら距離を作り、近い距離で相手を仕留める打撃スタイルではない。

あくまで伝統派空手の攻撃スタイルをMMAにアジャストさせた遠い間合いからの攻撃スタイルだ。近い距離では一撃のカウンターを当てて仕留めた試合も過去何度もあったが基本ブロッキングしない為、近い距離ではパンチを被弾しやすい穴もある。

⇧の3試合の動画の他にも、過去の堀口の試合を何試合か再確認したが近い間合いになった際にパンチを被弾してるシーンが結構見られた。

続いて、朝倉海は………

(3)朝倉海の強さと弱さを振り返る。

朝倉海は昨年8月以降の直近3試合。マネル・ケイプ戦、扇久保戦、昇侍戦を振り返ってみよう⇩

・RIZIN.20 朝倉海vsマネル・ケイプ戦

・RIZIN.23 第3代RIZINバンタム級王座決定戦 朝倉海vs扇久保博正

・RIZIN.24  朝倉海vs昇侍

(4)朝倉海のファイトスタイル・ストロングポイント・ウィークポイント

・朝倉海のストロングポイント

①バンタム級では体が大きく強くフィジカル負けしない。体幹も強くテイクダウンを許したシーンも見たことがない。腰が重い。

②堀口同様にバンタム級ではスピードが速く、瞬発力が非常に優れている。元々の身体能力も非常に高いのだろう。

③オーソドックスのストライカーで近年では元ボクシング世界チャンピオン内山高志にボクシング技術の指導をしてもらっている事もあり、飛躍的にボクシング技術が上がっている。特に今年9月に行われた前回の試合昇侍戦では伸びのある右ストレートを打ち抜き、バンタム級タイトルを獲得した8月の扇久保戦では腰の回転を利かしたボディのパンチや至近距離でのテンカオの膝蹴りも得意だ。KO勝ちした試合で見せる畳みかけからの極めの強さは全階級の日本人MMAファイターの中でもトップだろう。

では、続いて弱点だ。

・朝倉海のウィークポイント

朝倉海に関して私が強く思うのは、「相性によって大きく左右される選手である」と言う事だ。具体的に言うと昨年末に敗れたマネル・ケイプ戦ではボクシングに偏った戦い方で呆気なく散った。自身よりも立ち技における打撃技術が下ならスタンドの攻防で打ち合いの展開に持っていき圧勝するというケースが多いが、逆に自身の得意分野で相手の方が上回ってる場合だとMMAというルールの中における攻撃のレパートリーが堀口と比べ、比較的少ない朝倉海はグランドの展開に持っていくことが出来ず呆気なく敗れるという弱点も昨年末に晒したと思う。

そして、朝倉海に関しては懐疑的な部分もあり、それはグランドの攻防で下になった場合、どれだけの対処能力があるか?というところが未知数である。

(5)勝敗のポイントは堀口のテイクダウン能力

まず、堀口が勝つ場合のポイントはMMAという「どれほど技の引き出しが多いか?」が問われる競技である以上、朝倉海を上回る経験値を生かした全局面での戦いに持っていけるか?が1つの焦点となるだろう。

コーチのマイク・ブラウンも今回は「総合力で戦う」と語っていたが、これまで堀口の試合を長年見てきたが、逆に言えば「これまでような打撃に特化した戦いでは分が悪い」の裏返しだろう。

堀口は修斗・UFC時代も含めてスタンドの攻防において打ち負けたというシーンは見たことがなかった。昨年朝倉海にKO負けするまでは。スタンドの打撃に特化すればUFCも含めてフライ級(堀口の適正階級はおそらくフライ級の為)で世界No1であったと思うし、堀口のような伝統派空手をベースとしたあのような戦いをする選手は世界中みても中々いない。スタンドの展開での攻略は難しかったのだ。

しかし、それを攻略できる選手が同じ日本人に現れた以上、堀口は今回「打撃を織り交ぜながら如何にテイクダウンして削っていくか?」がポイントになる。しかし、このテイクダウンが出来なければ堀口にとって非常に厳しい試合となるだろう。先ほど堀口のウィークポイントで記したように、堀口は至近距離での打撃の攻防でパンチを被弾する傾向がある。特に朝倉海はこの至近距離での攻防が得意だ。マネル・ケイプには打ち負けたが、堀口の打撃は遠い間合いでこそ生きるスタイルだし、朝倉海は前回より更に距離を縮めて堀口に襲いかかるだろう。近年、朝倉海が見せるテンカオの膝蹴りやボディブローも今回の試合でも非常に有効となるだろう。

私の予想は……………朝倉海のKO勝ちだ。

しかし、1Rの短期決着であれば朝倉海。時間が長引けば長引くほど引き出しの多い堀口が有利になる。ということも付け加えて置きたい。

(6)最後に、平本連。

絶対勝てよ。

by 不滅の鉄人

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