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SIGMAの新カラーモード「warm gold〜ウォームゴールド」で出雲大社を撮ってきた

2023年2月8日のSIGMA fp Ver.5.00/ SIGMA fp L Ver.3.00 メジャーアップデートにて、新カラーモード「warm gold〜ウォームゴールド」、略してWGがやってまいりました!
SIGMAの良いところは、こういった飽きさせない演出だと思うのである。
今回はそんな新カラーモードを出雲大社で、SIGMA fpとライカのオールドレンズちゃんで試してみた。


カラーモード:スタンダード
カラーモード:「warm gold〜ウォームゴールド」

なんとなくフィルムっぽく、なんとなくノスタルジー、そしてなんとなく気だるい感じ。
正直なところオールドレンズで撮ると、この低コントラストかつモヤッとした感じでより眠たい写真になってしまうのは否めない。
だが出雲大社には合うのである。
前回のパウダーブルーもそうだが、環境とカラーモードを組み合わせてJPEGだけで、その場のフィーリングだけで写真を作り上げてしまうというのが僕のSIGMAの好きなところ。


世の中エモいことは良いことだと流行中ではあるが、僕はこのWGは山陰の冬の虚しさにも合う気がする。
エモさとは演出されるものであり、WGは情緒的な感傷をそのままで映し出す。
どちらも撮影者の意図ではあるが、意図するタイミングが違う。
SIGMAのカラーモードは、先程述べた撮影者と景観とのフィーリングによるものであり、そこには意図的な演出ではない意図を生むことができる。
この時間差は割と好きである。


緑が茶色に、茶色はよりくすむ。
イメージはのっぺりと、画面全体で息を吐くような写真に仕上がる。
コントラスト濃い目が好きな僕であるが、とろっとした写真から逆算して景観を眺めると、それはまた違う世界が眼前に立ち上る。


奥行きを失うかのような印象、割と開放で撮っているのだが。
Leica summilux 35mm 2ndののぺっとした開放のじんわり感が好きだったので、相性は良い。
レンズとの相性でカラーモードを選ぶというのも一考だ。
fpはオールドレンズ母艦としても最適なので、財布が軽くなって非常にミニマリストになれてしまう。


苔が良いね。


非常にお気に入りの写真。
明るい曇り空、夕刻、フラットな光、森の明暗差、同質的な色、そして山陰の冬の湿った空気、カラーモードと景観が合致した瞬間に「居合わせた」と言えるだろう。
こういうのはその場に僕がいたという事実だけが導いてくれたものであり、それ以前も未来もなく、ましてやSIGMAのカメラを持っていたからですら無い。
こういった瞬間というのを追い求めるのが写真なのかもしれない。


続いてLeica summicron-R 50mm
こうしてみると、望遠よりのほうが空気感が良い気がする。
空がないほうが良いかな、それとも色を均質にしたほうが・・・なんて考えながら歩くのが心地よい。
帰って落ち着いて眺めてみると、そういった狙った写真というのはたいてい面白くもなんともないのはなぜなのか?


夕暮れ、日が陰り、より世界はフラットに。


そんな時に撮りたくなる数学的ななにか。
文系なのでニュアンスで撮る。
僕はいつになったらスティーブン・ショアの域に指がかかるのか?


これくらいの距離感の人の後ろ姿が良い。
時間軸が見えるからか?
ジャングルで育つと時間軸が我々と違ってくるらしい。
ジャングルは四季がなく、遠近感に乏しい。
時間を撮ると意気込むのはおこがましいのかもしれない。


夕刻の海にて。
オールドレンズには辛い光だが、これくらいのコントラストが逆に良いのか?
普段はこういった時間はモノクローム一辺倒だったが。


カラーモードを景観に合わせて撮るということは、世界を多様な世界観で眺めることだ。
あるカラーモード縛りで撮影行脚すると、世界はその匂いに満ち、匂いに釣られるように道ができていく。
帰ってじっくりRAW現像もよいが、こういった時間的身体感覚に身を委ねるのもたまには良いではないだろうか?え?タイパ悪い?


撮影行為にハマっている身からすると、SIGMAのカラーモードの多さ、オリジナリティはとても良い。
余韻のない個性的なカラーモードは、撮影行為に囚われている自分を盲目的にサポートしてくれる。
多様な色により絡め取られているとも見えるが、これだけ多様であれば僕の世界観はより彩られ、それでいて権威により強制的に収斂されていくようなな恣意性は生まれない。


とりあえず良かったよ、「warm gold〜ウォームゴールド」
またいろいろな景観がWGを待っているだろうし、WGにより導かれる僕がいるだろう。

サポートいただきましたら、すべてフィルム購入と現像代に使わせていただきます。POTRA高いよね・・・