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SIGMA fpの豊富なカラーモードを脳にインストールして世界を見ると楽しいよという話

SIGMA fpの良いところは、撮影者主体の撮影ができるところであると以前書いた。

特質すべきは豊富なカラーモード。

RAW現像をしない撮って出しのみの撮影者、そう僕のようなタイプにはもってこいのカメラ。

SIGMAのカラーモードは、豊富かつかなり尖ったカラーもあるので、その場の雰囲気を感覚的に反映できる。

「それならRAW現像すればええやん」となりそうだが、そうではない。

その瞬間の景色から受けた影響を、反射的にカラーモードで表現できるのだ。

「自宅に帰ってRAW現像すればよい」という思考ではたどり着けない微妙な感覚の差異がそこで表現される。

もちろんそれが刹那的な気分の高揚でしかないと後で後悔するかもしれないが、その瞬間の出来事の記憶はRAWデータ以上に込められている。

「撮影行為主体かつ数値化できない情報を表現する」という僕のわがまま過ぎる欲求を満たしてくれるのは、まさしくSIGMAのカラーモードなのだ。


一番好きなカラーモードは、「パウダーブルー」

パウダーブルーは、発売後のファームアップデートで追加された新カラーモードだ。こういった新要素の更新は、ありがたい。

パウダーブルーの特徴は、淡いブルーとハイライト気味になるところ。

なんとなくフィルム調でなんとなくノスタルジックなエモい写真が撮れる。

しかし、僕はそういったエモさよりも、パウダーブルーの撮ってみないとわからない感覚にハマっている。

SIGMAのティール&オレンジもそうだが、「普通の写真」からかなり逸脱してしまうカラーモードの使用はまさに撮ってみないとわからない。

土門拳に殴られそうだが、この感覚は脳に深く刻まれ「この景色はパウダーブルーが合いそうだ」という視点を手に入れることができる。


僕が写真を撮るのは、この多様な視点で世界を見ることができるという体験が面白いからだ。

レンズを変えただけでも視点は変わる。広角と望遠では同じ景色でも注視する点は全く違う。

カメラの形状や重さも影響する。軽いカメラでしか撮れない景色もあれば、ガッチリした一眼レフカメラでないと撮れない景色もある。いや、「撮ろうと思えない」と言ったほうが正しい。

カラーモードも同じで、脳の中にカラーモードが搭載されている感覚で散歩していると、景色の方から「ここはパウダーブルーが合いまっせ」と語りかけてくる。

頭の中のカラーモードが多ければ多いほど、見慣れた景色でもそれは見慣れていない新たな美しさを教えてくれる。

RAW現像前提の撮影が結果から被写体を探索する行為であるとすれば、カラーモード気分撮影は景色からフワッと結果が浮かんでくる感覚を味わえる。


僕はカラーモード縛り撮影をすることもある。

「今日はパウダーブルー」「今日はモノクロ」のように。

そうすると視点はパウダーブルー一色になり、世界はパウダーブルーになるのだ。

これこそ、自己本位で行為主体のわがまま写真ライフ。

それを叶えてくれるのは、やっぱりSIGMAfp。



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