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終末の麻雀譚

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この荒廃した世界でも麻雀は生き残ることが出来るのか──
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2022年7月の記事一覧

終末の麻雀譚6

終末の麻雀譚6

荒廃した世界で麻雀牌を見つけた少年少女。
たんだんと麻雀の仕組みを理解ながらもその世知辛さに直面していた──

第9話

「うっ…うっ…」

ついに声を上げて泣き始めたトム。

困惑の表情のシェリー。

髭はトムの肩を叩いた。
「まぁこれで終わりじゃない。確かに厳しいが、本来なら25000点持ちスタートだからまだ7000点ある。さらに親番も2回ある。最初に18000点無くなったってチャンスはまだま

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終末の麻雀譚5

終末の麻雀譚5

荒廃した世界で麻雀と出会った少年少女。
まだ入り口の段階ながら、その魅力に取り憑かれようとしていた──

第8話

ついにリーチを教わることとなった4人。
リーチ棒を出すために、点棒に代わるものを探していた。

「点棒って言うくらいだから、元々は棒状のものだよなぁ」ムサシは麻雀牌を見つけた場所の近くまで行こうとしたが、「とりあえずコレでいい?」とトムがポケットから何か取り出した。

ネジだ。

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終末の麻雀譚4

終末の麻雀譚4

荒廃した世界で麻雀牌を見つけた少年たち。
ついに麻雀という遊戯に触れる──

第7話

麻雀の始め方はなんとなくわかった。

ムサシ、コジロー、トム、シェリー。4人の心は一つだった。

『ルールなどの記憶はトムまかせ』

これである。トム自身もそう思っていた。

「あまり時間がない」そう言っていた髭のおっさんに聞けるだけ聞いておかねばならない。

「次はどうするんだ!おっさん!」

ムサシが言った

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終末の麻雀譚3

終末の麻雀譚3

荒廃した世界で麻雀牌を見つけた二人。
ついに麻雀を知る人物に出会うがはたして──

第6話

「おっさん!俺たちに…麻雀を教えてくれ!!」

ムサシの懇願に、髭のおっさんは立ち去ろうとしていた足を止めた。

「たのむ!おっさん!」

コジローも続いた。

踵を返してこちらに近寄る髭の男。

「言っとくが俺にも都合ってもんがある。長くは付き合えねえぞ。」

顔を見合せ、やったー!とはしゃぐ4人の少年

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