3年計画の集大成への期待と展望 リーダーとして期待する選手は? エルゴラ浦和担当、沖永雄一郎さんと今季の浦和を振り返る(後編)

<全3回中の3回>

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後編では、3年計画の最終年となる来季への展望や期待を語っていきます。例年のホーム&アウェーではなくセントラル開催ですが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)へも3大会ぶりに参戦します。リーグ優勝を最大目標にしつつも、チームの底上げと成長を感じさせるシーズンにすることも大切。獲得すべき戦術的なバリエーションや、偉大なレジェンドの後を継ぐ存在についても意見を交わします。

沖永雄一郎(エル・ゴラッソ浦和担当)
山口県出身。2019年10月よりアイキャンフライしてフリーランスという名の無職となるが、気が付けばサッカー新聞『エル・ゴラッソ』の浦和担当に。
https://twitter.com/RMJ_muga

轡田哲朗(フリーランス)
埼玉県出身。浦和生まれの浦和育ちでイタリア在住経験も。9つの国から11人を寄せ集め、公用語がないチームで臨んだ草サッカーのピッチで「サッカーに国境はない」と身をもって体験したことも。出版社勤務の後フリーに。https://twitter.com/tetsu11k

リーグ戦とACLの並行、選手層とチームの幅をどう作るか

轡田:選手の補強についてこの対談に反映されるのは12月27日時点での情報で、全部が出そろっていないので、詳しくは触れづらいところもあります。ただ、基本的にはチームが進む大きな方向性は変わらないと思います。その上で、来季に向けてピッチ上のトレーニングで積み上げていくべき部分をどのように感じますか? 僕は4-3-3や3-5-2など、他のシステムも遜色なく使いこなせる幅ができた方が良いと思っています。今季もスポット的にありましたけど、中盤に明確なアンカーを置く構成、可変しないで3バックのまま戦うオプションは持っていた方が良いと思うんですよ。

沖永:小泉が下りるくだりでもありましたが、人が下りてきて変形しなくても、例えば最初から後ろの3人で回して前進できるのならそれに越したことはないですものね。可変システムが必殺技のように扱われることもありますが、可変すること自体はリスクですし、特にボールを失った際に無防備になりがちです。複数のシステムを習得することで、相手に応じての立ち位置などの修正も容易になると思います。理想としては「3バックにトライします!」といった試みよりも、様々なトレーニングの結果で自然と複数のシステムを使える(使っているように見える)のがベストだと思います。ただリカルド監督も「3バックも併用したい」ということは言っていましたし、トライしてくるのではないでしょうか。システムに縛られないように仕込む手腕は持っていると思います。個人的には、戦術もそうですが個人技術の向上にさらに取り組んでもらいたいですね。特にGK陣のビルドアップ能力向上に期待したいです。

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