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多様性を考える【キャリコンサロン編集部】#2

今回のお題は「#多様性を考える」。とても今的なテーマですね。
「多様性」と聞いて、思い浮かべたのが、2012年に発行された平田オリザさんの著書「わかりあえないことから~コミュニケーション能力とは何か」です。

当時、私は仕事で研修の企画や運営、時には講師として登壇することもありましたので、「コミュニケーション」関係の本を読み漁っていました。その時に出会った一冊でした。
この本の「まえがき」にはこんなことが書かれています。

「日本のコミュニケーション教育は、あるいは従来の国語教育でも、多くの場合、それは「わかりあう」ことに重点が置かれてきたように思う。私は、その点に強い疑問を持っている。」

「わかりあう」を目的にするのではなく、我々は「わかりあえない」存在なのだという出発点から「コミュニケーション」を捉えるという、筆者の考えに頭を打たれました。また、本書の終章にはこのようなことも書かれています。

「だから、この新しい時代には、「バラバラな人間が、価値観はバラバラなままで、どうにかうまくやっていく能力」が求められている。わたしはこれを、「協調性から社交性へ」と呼んできた。

発行から10年が過ぎた今、社会の在り様を見てみると、「価値観はバラバラなままで、どうにかうまくやっていく能力」という言葉にも、大きく頷けます。

また最近、次のような別の本に出会いました。中原淳さんの「話し合いの作法」です。

まだ読み始めたばかりですが、こちらの本の冒頭には、このようなことが書かれています。

「話し合いは、多様な人々がこの世に生を受け、他の人々と「ともに」生きるための知恵でもあります。私たちは、話し合いがあるからこそ、さまざまな葛藤や矛盾を乗り越え、多様な人々と共生し、ときには協力し合い、独力では達成できないことすら達成できるのです。」

著者の語る「話し合いにあふれた社会」の大切さを感じました。

今後も、「多様性」というものに「好むと、好まらずと」向き合っていかねばならない時代だからこそ、改めて「コミュニケーションの在り方」について深く考えてみようと、私は思っています。
今回は、このへんで。


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