自分の作品にある価値とは
5月病
自分の価値って何だろうなぁと
小さな頃からよく考えている。
存在価値がないと生きてちゃいけないわけじゃない。
何かをするのに理由がないといけないわけじゃない。
ただ、ここ最近、漫画を描いても取り立てて仕事として成り立つわけでもない日々に、なんとも言えない焦燥感が最近高まっていた。
自分が漫画を描くことに
作品づくりをすることに
一体なんの意味があるのか。
ほぼ収入もなく、絵ばっかり描いて
家族には迷惑かけるばかりだ。
結局のところは自己満足ではないか。
…これはいかん、5月病だ。
雪が解けて花が咲き、
外は爽やかで温かい日差しがさしているのに
自分の心はどんどんどんより沈んでいく。
沈んでしまうものは仕方ない。
しかし作品作りに意欲がわかないのは困った。
本当に描きたいものが何なのか前はもっと明確だった気がするのに
ここ最近は全然思い出せなかった。
それが、たまたま上げた過去作によって
ばあっと開けたのだった。
コルクラボ課題で過去に描いた作品だ。
この作品は、課題で出たものを描いて上げたら妙に反応が良くて、ちょっとだけ自主連載したもの。でも、課題も次々出る中さらに年末進行にさしかかり、漫画を完結まで持っていくだけの余裕がなかった。
1話の反応はそこそこ良かったものの、次の話、次の話。。。と連載が進むごとに反応は鈍る。つらい。
それでも数人のフォロワーさんが「楽しみにしています」と言ってくれた。
そう言ってくれる人がいる以上は続きを描きたいと思った。
でも時間的にどう考えても描けなかった。
続きを待つ人のために頭の中で固めた構想を、何とか形にしてあげたかった。それで考えたのが「漫画から小説につなぐ」ということだった。
それがこの作品。
でも、漫画で「続きを楽しみにしています」と言ってくれた方々は小説になった途端ほとんど見向きもしてくれなかった。
当時、Twitter経由での小説への感想はほぼ届かなかった。
記事への「スキ」も全然付かなかった。
「続き読みたいです」って言ってくれる人がいたから頑張ったのに、自分は一体誰のために何のためにこれを書いたんだろうと虚しくなった。
コルク在籍中、この感覚はどんどん狂っていった。
自分が描きたいものを描くはずが、誰かにウケるために描くようになっていた。
周囲の反応が悪ければ作品が悪いのだと落ち込んだ。
みんなに称賛されている作品を妬んで羨んだ。
同期同士で感想のやり取りがある中、
私の作品を好きだと言ってくれる人は少なかった。
(数少ないが好きと言ってくれる方はいた!ありがたい)
どうしたらみんなに好きだと言ってもらえるようになるんだろう、と、そればかり考えるようになった。
何が描きたいのかどんどんわからなくなっていった。
自分が何を思って何を表現したいのか、よくわからなくなった。
これは私がマンガ専科受講中ずっと囚われていた呪いみたいなものだと思う。
マンガ専科が世界の全てではないのに、何故か、同期や講師陣にウケるものを描かねばならない気持ちになっていた。
創作大賞中間審査通過
今回の漫画小説、せっかくだからとnoteの創作大賞に応募していた。
ハッシュタグつけるだけで参加出来るんだからお手軽だ。
参加したことも忘れていた数カ月後。
作品が中間審査を通過したと言うではないか。
誰にも見向きもされなかったと思っていた作品が、ちょっとだけ誰かの目に留まったのだ。とても嬉しかった。
しかしその1ヶ月後の最終審査結果は、結局選外だった。
無念だった。結局私の作品がそこから広がることはなかった。
漫画は色々失敗があった。
「自分が描きたいもの」より「誰かにウケそうなもの」を意識しすぎていることが自分ではよくわかってしまう。
これは課題漫画の大半に見えるものだ。
何で自分はこんな作品作りをしたんだ、と、見ると自己嫌悪になる。
だから再掲の予定もなかった。
ただ、小説は結構気に入っていた。
自分が書きたいと思ったものを思いのままに書けたからだ。
中間審査を通ったということはそんな悪くないのでは?
せっかくだから少しでも多くの人に見てもらいたいなぁ、ただそれだけの思いで、漫画につなげて小説をツイートしてみた。
そしたら、思った以上に伸びている。
初回、課題として出した際1000いいねぐらいの反応があった。
今回は4話まとまっているからもうちょっと伸びるかもしれない。
でも自分は自分の漫画をそんなに信じていなかった。
どうせそんな伸びっこない。
頑張って3000行ったら御の字だ。
漫画がバズった
そんなことを考えていたら、いつの間にやら1万いいねを超えていた。
そして漫画に繋げた小説の「スキ」がどんどん増えていった。
Twitterのリプにも沢山のコメントがついた。
”作品の価値を作るのは読み手です”
小説の中で最後に太郎が言う言葉。
それを読んだ上でコメント下さる言葉たちのなんと温かいことか。
この日、私の作品に沢山の価値が付いた。
すごくすごく、ありがたいです。
全て載せたらごちゃごちゃになるので、特に嬉しかったものに絞っています(絞りきれていない感)。
Twitterバズりあとのnoteのコメント。
あとは、noteでサポートをしてくれた方からのメッセージの一部。
サポートメッセージは応援のお金を出してくれた人だけが出せるもの。
作品を読んで、感動して。
そこに自らお金を出そうと思って貰えるって、ありがたすぎませんか。
自分の作品をきっかけに
「生きようと思った」
そう感じて貰えるって、ありがたすぎませんか。
「自分の漫画で誰かを救えたら」
私はコルクに入る前、その思いで作品作りをしていた。
それがいつしか「沢山の人にウケたい」に変わっていた。
作品で人を救うなんて烏滸がましいかなと思ったりもしていたけど、こうやって「救われました」とか「生きようと思いました」とか言ってくれる人がいる。
ちゃんと自分の想いが詰まった小説でそれを感じてくれた人がいる。
短い文章の中で書いたその想いがどれほど真実かなんて私にはわからない。
けど、それでもこの言葉たちは信じたい。
「救われました」
「生きようと思いました」
そう言って貰えることで私も救われるし、生きようと思えるし、また作品を作ろうと思えた。
Twitterのバズは読んだ人にとってきっとその場で終わってしまうものだと思う。
私にとっては、今回のことは心に深く残しておきたいのでこうやってnoteの記事にしておいた。
また自分が作品作りの方向性を見失ったら、ここを読み返したい。
今回は沢山の感想を本当にありがとうございました。
多分蛇足だけど自分にとって大事なこと
ここまでの文からしたら凄い蛇足だと思うけど
長い文章をここまで読んでくれた方へ。
多分Twitterで面白い漫画が流れてきたら
「続きが読みたいです」って簡単に言う人が多いと思う。
今回もいくつかそういう言葉があった。
その言葉は、作者にとって本当にありがたい言葉、嬉しい言葉。
でもプレッシャーでもある言葉。
言って貰えて嬉しかったから、待っていてくれる人がいると思って描く。
でも、続きを描いても「読みたい」と言ってくれた人からの反応はない。
あっても「いいね」だけ。
「続きが読みたいです」と言うだけ言って、フォローもしてくれていない人もいる。また、たまたまタイムラインに流れてきたら読めばいいぐらいの感覚なのかもしれない。
今回挙げたマンガも、卒業課題で描いたマンガも、連載形式だった。
連載形式というのは連載を続けていくとわかりやすく反応が落ちていく。
続きを描いても、待っていてくれる人が減っていることを痛感させられる瞬間。あれが続けていく上で地味に辛い。
今回も「後編も漫画にしたら?」みたいなことを簡単に言う人が何人かいた。
描きたいと思っても、漫画って、そんな簡単に描けるものじゃないよ。
ましてやTwitterに上げる漫画は大抵が描き手にとって無償。
読み手にとってはTwitter漫画は読み放題のものかもしれない。
そして数分で読み終えてしまうものかもしれない。
だから「続き描いてよ」と簡単に言えてしまうかもしれない。
でも描き手はその無償のものに、多くの時間と精神力をかけて描いている事も知ってほしい。
それは「誰かに読んで欲しい」からだし
「読んだ人に自分の伝えたいことが伝わってほしい」から。
だから気持ちが伝わったと感じたときが凄く嬉しい。
太郎くんが最後に言った言葉は、私自身の想いだ。
さらに、今まで形になった価値を与えられなかった作品にお金という価値を与えてもらえること、それもまた、天に登りたくなるほどに嬉しい。
今回サポート頂いた方は13人。
サポート金額は、ありがたいことに4000円近くになりました。
これでまた絵の勉強をして、より良い作品づくりをしていきたいと思います。
サポートはお金を払わないと読めないから支払った、という形ではない。
「読んだあとに応援したい」という想いで、作品への感謝の気持で入れてくれるお金。その価値は100円でも底知れない。
「読みたい」と思って貰えることは勿論嬉しい。
でも「続きが読みたい」と言ってくれるなら
その場だけで言うのではなくて
ちゃんと待っていてほしい、とも思う。
続きをあなたが待ってくれているのと同じように、私は続きに対する感想を待っている。
作品で心を動かされてくれる読者がいるのと同じように、私は読者の感想に心を動かされている。
だから、本当にもし続きを待ち望むなら、見つけたときは反応して欲しい、と思う。
描き手から読み手の皆様へ、私からのお願いです。
未読の方のために、今回の記事にした作品を改めて貼っておきますね。
読んで頂けたら嬉しいです。
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