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最近相談を受けた副産物飼料を活用した飼料コストの削減例

細かいことは置いといて、サクッとこんな風にしています!という実際の副産物飼料の分析表や飼料設計の実際の数値を公表します。

先月、お客さんより「飼料代が上がっているので何か安い餌ないの?」というお問合わせを頂きました。

今年に入り飼料価格の値上がりが続いています。当然ですが、それに伴い農家さんのコストは上がり非常に苦慮している方も多いのではないでしょうか?

飼料コストの削減方法はいろいろとあると思いますが、ここでは副産物飼料を使った飼料コストの削減方法を紹介します。

実際に先月相談を受けた農家さんに飼料変更案を提案したものを公開します。もちろん農家さんの了解を得ています。

このような飼料を使いました

純粋な澱粉です。

酒粕からアルコール回収をしたバイプロ

これらを使いコスト削減の提案をしました。

コスト削減というテーマですので価格が気になると思いますが、どちらも高くても30円/kg以下です(場所によっては20円前半とか…極端な話北海道や九州でもこれくらいで大丈夫だったりします)。今回の農家さんのずばりの価格はごめんなさい。

細かい農家さんとのやり取りは省きますが提案した内容を簡単に載せます。

この農家さんの場合は1日1頭当たり53円のコスト削減が出来る計算です。

搾乳頭数50頭であれば50頭×53円×365日で967250円を年間で削減出来る可能性があります。頭数が倍であれば倍のコスト削減出来るかもしれません。

こちらの農家さんの配合飼料価格は公開出来ませんが、配合飼料を酒粕と澱粉に置き換えただけです。酒粕と澱粉は高くても30円/kgですので計算して頂ければ各農家さんがどのくらいのコスト削減出来る可能性があるのか分かると思います。

ここで間違えないで欲しいのは、配合飼料は銘柄によって栄養価が違います。単純にどの配合飼料でも置き換えればよいというわけではなく、今回はたまたまそれで対応出来たということです。

しっかりとした飼料分析値をもとに飼料設計をした上での飼料変更が必要です。

飼料設計変更後、今回の農家さんは牛の状態や乳量、乳質に変化はなく、飼料代が削減出来ている状態です。

今回気にしたことは、酒粕は何も不安はなかったですが、澱粉の消化スピードが速いことがどうなるか気になり、前もって農家さんにも伝えてありました。澱粉は精製されており、澱粉質がもろに暴露しているため消化スピードが速いと思われます(思われるといったのは、実は消化スピードの分析を出してもいまいち一定な値が出て来ません)。飼料米もそうですが、アミロースとアミロペクチンの割合で消化スピードが異なるのかなと思っています(詳しい方教えてください!!!)。

話がそれましたが、心配な点は澱粉を給与することによってアシドーシスに傾く可能性があるのかなということだけでした。
現在ではその傾向はなくもう少し酒粕や澱粉の割合を増やしてよりコスト削減に向かえるのではないかなと思っています。

あれ?粗飼料NDF低くない?澱粉も低くない?と思う方もいるかもしれませんが今のところ順調です。この細かい話はここでは省略させて頂きます。

今回こんな話をさせて頂いたのは、これを機会に地元にある未利用資源を使って飼料コストの削減に挑戦してみようという方がひとりでも出てきて、経営にプラスになる情報を提供出来たらと思ったからです。

出来れば弊社に相談して欲しいなんていう欲が若干ですが・・ほんの少しないこともないですが(笑)

こんな情報が飼料コスト削減のお役に立てれば相談なくても全然大丈夫です!(笑)

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