見出し画像

左耳のピアス。

今日は君の話がしたい。

私はきっと、
クリープハイプの「左耳」を聞くたびに、
君の左耳のピアスを思い出す。



クリープハイプの「左耳」には、
「左耳 知らなかった穴
 覗いたら 昔の女がいた」
というサビの歌詞がある。
君の左耳には、昔の女、つまり「私」がそこに居る。



君はいつしか左耳に軟骨ピアスを開けた。

左耳にしか開けなかった理由を聞いたら、
「○○と一緒に寝るとき、自分が左側だから、右耳に開けると寝るときに当たって痛いでしょ?」
と言った。

いつも仰向けで寝ていた君は、きっとどちらに開けても良かったのだろう。

だけど、私達は、
私が右で君が左で寝るという配置は決まっていたから、私のために左耳に開けたのだった。


今では、これが愛だったのかもしれないってことに気づいた。

同じだけの愛を私は返せないまま、私達は別れを告げた。

君への愛はもう返せないけど、君の左耳にあるその軟骨ピアスは、私を愛してくれていた証だった。



私は左耳に3つ、右耳に1つピアスが開いている。全部自分で、なんの意味もなく開けたから特に覗いても誰も居ない。

本当は左耳の2つ、君に開けようとしてもらってたんだよ。
君を忘れたくなくて、開けてもらおうとしていた。でも自分で開けて良かった。

君の中で私を感じる部分はすごくノスタルジックだけど、私の中で君を感じる部分は要らない。


私は悲しくなりたいときに、君の話をしたがる。

断捨離には程遠いな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?