見出し画像

具体例を共有しながら塾長の成功と失敗をリアルタイムで追体験する【#徹壱塾2024年8月レポート】

 写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱です。このたび「3年後に書籍を出すための11のメソッド」を提供する「宇都宮徹壱ブックライター塾(#徹壱塾)」を開講。先月、初回のセッションを開催しました。

 当塾では、毎月6回のセッションごとに、2つのメソッドを1時間ずつ講義。これに30分の課題講評を加えて、2時間30分行われます。また、毎回のセッションにマッチしたゲストを招聘。その後の打ち上げにも参加していただき、塾生との交流の場も設けています。

 1期生は、男性3名で女性1名。キャリアについては、記者経験がある人からライター未経験の人までさまざまです。今回の募集に間に合わなかった方、あるいは踏ん切りがつかなかった方、ご安心ください。今年の12月には、2期生の募集を開始予定です。

 1期生との講義の模様については、こちらのnoteにて(ネタバレしない程度に)レビュー記事をアーカイブしていきます。次回の募集を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

■教材としての『異端のチェアマン』

 8月のセッションは、事前に塾生に出しておいた課題「noteを立ち上げよう」について講評を行ってから、以下のメソッドについて講義しました。

メソッド③:作品テーマの組み立て方
メソッド④:出版社を納得させる企画書の書き方

 今回のゲストは、REAL SPORTSの中林良輔さん。中林さんは東邦出版の元編集者でもあり、日本で最も多くのサッカー本を手掛けてきました。私の書籍も4冊手掛けていて、その中にはミズノスポーツライター賞を受賞した『フットボールの犬』も含まれます。

 今回のセッションの教材は、近著『異端のチェアマン』。村井満さんのJリーグチェアマン時代の8年間を描いたノンフィクションです。作品を形にするために、いかにしてテーマを組み立てていったのか。そして、企画を版元に納得してもらうために、どのようなプレゼンを行ったのか。その過程について、中林さんのコメントもいただきながら再現を試みました。

 書籍の企画がスタートするのは、出版社からの打診から始まるケース、そして著者が出版社に持ち込むケースの2つに大別されます。『異端のチェアマン』は後者の最たる例。実績のなかった版元に売り込むという点では、それまで経験しなこなかった苦労もありました。

 もっとも、この時の経験を因数分解すると、さまざまなノウハウやメソッドに落とし込めることに気付かされます。時間と手間をかけながらも、一気通貫で本作を作り上げた経験。それは間違いなく、このブックライター塾を始める、大きな原動力となりました。

■気になる塾生の感想は?

 今回もセッション後、塾生に感想を寄せていただきました。以下、抜粋したものを掲載します。

眞木優さん
これまで14冊作った塾長でさえ、簡単に企画が通らないこともあるそうです。だからこそ、今回の講義テーマは体験に基づく濃い内容で、とてもリアリティがあり、勉強になりました。
(中略)
企画書に関しては、ゲストの中林良輔さんが来てくださり、かなり貴重なお話を伺えたのが嬉しかったです。編集者との打ち合わせでは、相手の表情や言葉を逃さないことも大切だとおっしゃっていました。

 今回のセッションでは、失敗例についても具体的に解説しました。むしろ失敗から学ぶべきことは多いと感じています。

松本佳世子さん
塾長の最新刊『異端のチェアマン』や、現在進行中の本の企画を例に繰り広げられる講義は、よそでは聞くことのできないエピソードが多く、おのずと前のめりでメモを取る手が止まらなかった。
(中略)
「今まで一度も仕事をしたことのない版元と仕事したい」など、常に高い目標をもち、チャレンジングな姿勢で本づくりに取り組む塾長。そして、ゲストの中林良輔さんの編集者ならではのコメントは、リアルかつ貴重で、非常に刺激を受けた。

 メインの教材は『異端のチェアマン』でしたが、現在進めている「次の次の作品」についても企画テーマの組み立て方の事例として紹介しました。徹壱塾では、塾長の現在進行形の仕事についても、惜しみなく共有しています。もちろん、失敗談も含めて。

花谷泰明さん
ここまで4回のメソッドを受講て、徹壱塾は単純な文章の書き方講座ではない、本の書き方講座ではないということが本格的に分かってきました。
宇都宮さんならではの、本気で本を出すためのビジネススクールの雰囲気です。初回からたくさんの気づきがあり、大変刺激が多い講義になかなかついていくのも大変ですが、引き続き楽しみにしております。

 そうなんです。「書き方講座」であれば、他にいくらでもあります。ライター経験の有無にかかわらず、「本を出す」という高い目標を持った人たちに向けた講義を、これからも心がけていきます。

■塾生と共に作り上げていく

 セッションは21時に終了。今回も撤収作業後、会場のすぐそばにある台湾料理のお店で打ち上げを開催しました。参加者は、私と塾生4人のほか、ゲストの中林さん、そしてアシスタントのFujicoさんでした。

 塾生は全員がサッカー成分多めのため、中林さんとのサッカー談義にはそれぞれが刺激を受けたようでした。2時間30分のセッションに加えて、食事をしながらのゲストとの語らいもまた、当塾のオプショナルな魅力として定着しつつあります。次回は、最近ブックライターデビューした書き手の方をお招きする予定です。

 最後に、塾長の雑感など。

 7月の第1回セッションに比べて、それほど消耗することはなかったです。ただしセッションの進め方についても、カリキュラムの内容についても、まだまだブラッシュアップが必要と感じました。

 6回のセッションで伝授する11のメソッドは、自分自身の経験や学びを落とし込んだものをベースとしていますが、それだけで成立するものではありません。塾生の反応を真摯に受け止め、塾生と共に質の高いセッションを作り上げ、そして磨き上げていく。その繰り返しだと思っています。

 あらためて「教えることは学びでもある」ことを実感しています。ということで、そろそろ9月の準備を始めなければ。

 次回のセッションは9月11日。メソッド⑤の「入稿まで手放せない台割の作り方」、そしてメソッド⑥の「失敗しないための制作スケジュール」について学んでいただきます。セッションの模様については、後日こちらでレビュー記事を掲載予定。入塾をご検討の皆様、楽しみにお待ちください。

<来月につづく>

 

よろしければ、サポートをよろしくお願いします。いただいたサポートは、今後の取材に活用させていただきます。