見出し画像

「未来のブックライター」を目指してゼロからイチに!【#徹壱塾2024年7月レポート】

 写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱です。このたび「3年後に書籍を出すための11のメソッド」を提供する「宇都宮徹壱ブックライター塾(#徹壱塾)」を開講。先月、1期生を募集したところ、4名の入塾希望がありました!

 告知では「定員11名」としながらも、実際のところは「ひとりも応募がなかったらどうしよう?」と、内心ビビっておりました。

 何しろ初めての試みであり、ブックライター塾にどれだけ需要があるかも確たる自信が持てず、しかも募集期間は16日間。そうして考えると、よくぞ4名も集まってくれたと思います。

 男性3名で女性1名。キャリアについても、記者経験がある人からライター未経験の人までさまざまです。この1期生と共に、東京・西荻窪のコワーキングスペース「factoria」にて、徹壱塾をスタートさせることになります!

 今回の募集に間に合わなかった方、あるいは踏ん切りがつかなかった方、ご安心ください。今年の12月には、2期生の募集を開始予定です。加えて、これから月1で講義の模様を(ネタバレしない程度に)レビューしていきます。毎月のレビューは、こちらのマガジンにアーカイブされる予定です。

■150分間しゃべりっぱなし

 当塾のカリキュラムは、11の講座+1の特別講座を2講座ずつ、6カ月にわたって月1ペースで開催します。記念すべき開講日は7月11日。30分間のオリエンにつづいて公開されたメソッドは、以下のとおり。

メソッド①:過去作品から考える「息の長い書き手」の条件
メソッド②:赤裸々に語る出版業界とライターを巡る現状

 今回は、これまでの28年のキャリアの間に上梓した14冊を持参。メソッド①では、各作品が生まれた背景や制作過程、そしてキャリアに与えた影響などについて語りました。

 5分の休憩を挟んでから、メソッド②のセッション。サッカー業界から見た出版とネットの現状について、30年スパンで解説しながら、ライティング業界に今後起こり得ることについても言及しました。

 私は大学でも半期の講義を持っているのですが、1コマ90分間で使用するパワーポイントは20枚弱。今回は50枚以上ありました。しかもオリエンを含めて、150分間ほぼしゃべりっぱなし。ちょっと初回から飛ばしすぎたと、少し反省しております。

パワーポイントを使いながらのセッションの様子

■気になる塾生の感想は?

 今回のセッションを受けて、塾生に感想を寄せていただきました。以下、抜粋したものを掲載します。

keidija0807さん
 講義は端的に言うと「出版業界とライターを取り巻く環境の変化」がテーマ。紙とウェブの比較や宇都宮塾長自身の経験を踏まえて、業界の歴史や編集者の働き方、ライターやメディアの行く末などについて、塾長が解説をする形式だった。
 新卒からメディア業界、特に新聞もウェブも経験している人間にとっては興味深い内容で、共感する部分だけでなく、より詳しく聞きたい部分も多々あった。
 一方、質疑応答の時間が限られていたので、塾長と意見を交わす時間をもう少し設けると良いのかもしれない(休憩時間や飲み会の時間を上手く使っても良いのかなと思う)。

 ご指摘、ありがとうございます。次回は質疑応答の時間を、もう少し増やすように工夫します。

松本佳世子さん
 第1回、第2回講座は、塾長・宇都宮さんの淡々とした語り口に、「失われた30年」をフリーランスとして生き抜いてきた言葉の重みと熱量を感じました。あっという間の2時間半でした。
 人とかぶらない独自の視点でテーマを切り取り、書籍として作品を残してきたからこそ、消耗されず、取材し、書き続けることができたということ。
 そして、コロナ禍で急速に失われてしまいつつあった、リアルの場で生み出される共創の価値へのこだわりも強く感じました。
 そこに、たった1度しかない「1期生」として加わることへの興奮。そして、「自分も新しい価値を生み出せるのか?」という、不安と期待がないまぜになった、おっかなびっくりな心持ちです。

 おっしゃるとおり、自分自身の経験に基づいてメソッドを作り込んでいます。「おっかなびっくり」が確信に変わるよう、微調整を加えながら充実したセッションを続けていく所存です。

眞木優さん
 第1回・第2回の講座は、まさに僕が目標に掲げてる「ライター像」が知れたと思いました。
 Webが中心の時代に、わざわざ書籍を出す意味とは? ライターに厳しい時代だからこそ書籍を出す意味があることを学び、実行する大切さを知り、あらためてブックライターへ向けて気合が入りましたね。
 宇都宮さんが28年間で体感してきたライター人生は、どれをとっても勉強になることばかりです。6ヵ月の講座期間中は、吸収できることはすべて吸収したいと思います。

 そうなんです!「Webが中心の時代に、わざわざ書籍を出す意味とは?」というのは、まさに当塾のメインテーマでもあります。そのためのメソッドについては、この6カ月でしっかり学んでいただければと思います。

花谷 泰明さん
 第1回を終えて、この回がとても有意義であったことに感動しながら、これからが大変楽しみになりました。
 概論が概論にとどまらない、宇都宮さんのサッカーとメディアの関係性への深い洞察をうかがうことができました。
 また著書を振り返りながらのお話では、サッカーへのとても温かい目線を感じました。そこに関わる人、組織、地域、国がそれぞれの文化のなかで生き残り、育っていくことを願う思いがありました。
 このようなセミナー、講座の類に参加するのは今回が初めてで、正直どんなものなのか分からずでしたが、徹壱塾はとてもアットホームな雰囲気で、この雰囲気のまま最後まで続いたら嬉しいなと思います。

「アットホームな雰囲気」というのは、当塾の強みですね。とはいえ、それだけではない価値も、少しずつ出していければと思います。

デビュー作の制作秘話を披露する塾長。

■徹壱塾のフォーマットが見えてきた!

 セッションは21時に終了。塾生の皆さんに撤収作業を手伝っていただき、会場のすぐそばにある台湾料理のお店で打ち上げを開催しました。参加者は、私と塾生4人のほかに、ゲスト2人の計7人です。

 ゲストは、旅系ライターで西荻窪在住のFujicoさん。そして、元サッカークリック編集長の鈴木崇正さん。Fujicoさんは「factoria」の元メンバーで、設営のお手伝いと撮影を快く引き受けていただきました。そして鈴木さんは、こちらでも書いたとおり、私に初めて連載企画を持たせていただいた、非常に恩義のある編集者です。

 Fujicoさんに声をかけたのは、サッカーではないジャンルでのライターとして、塾生との話題に広がりを加えてほしいという狙いがありました。そして鈴木さんについては、私の駆け出し時代を知る編集者として、そしてウェブでのサッカーコンテンツ黎明期の証言者として、ご参加いただきました。

 ゲストをお招きしたのは、賑やかな雰囲気を作りたいという思いもありました。結果としてディスカッションに深みが増し、人脈も広がっていくという、とても良い効果を生み出すことができたと思います。最初のセッションを終えて、徹壱塾のフォーマットが見えてきました。

 半年にわたるプランニングとリサーチ、そして限られた告知期間を終えて、ようやくスタートした徹壱塾。塾生もそうですが、私自身も「ゼロからイチ」に踏み出すことができた、最初のセッションでした。

 次回のセッションは8月9日。「作品テーマの組み立て方」と「出版社を納得させる企画書の書き方」について学びます(そろそろパワポの仕込みも始めなければ)。セッションの模様については、後日こちらでレビュー記事を掲載予定。入塾をご検討の皆様、楽しみにお待ちください。

<来月につづく>

 

よろしければ、サポートをよろしくお願いします。いただいたサポートは、今後の取材に活用させていただきます。