ジャイアンが笑って暮らせる国にしよう

 ジャイアンとは自分軸で生きてゐる人。
 やりたいことは人がどう思ってもやる。
 人目なんか気にしない。
 言ひたいことは正直に言ふ。
 相手が気を悪くするとか、嫌はれるとか、気にしない。

 さうして完全に自分らしく生きてゐて、しかも、のび太やスネ夫たちから友達として親しまれ、いつでも、ジャイアンが腹が立った時や母親に叱られて悲しかった時に殴れる顔を差し出してくれる。
 ジャイアンがのび太やスネ夫に殴られるなんてことは絶対に無い。

 さういふ、どちらかが一方的に忖度する関係が、ジャイアンと仲間たちといふものだ。

 このところ、ちょっとしたお手伝ひをして、小学生の子供たちと連続的に接することがありました。
 進学塾の子供たちだけど、
「人目を気にして行動する」子供たちが多いので、驚きました。
 マスクをしてゐる子も多かったです。

 周囲の人たちを気にして同調する生き方ですね。
 わたしとしては、
やさしい
人の気持ちによく気がつく」子供たちだな
と受け取りますが。

 かういふ子供たちの中では、
人がどう思ふかを気にせず
自分の気持ちを第一にして
はっきりと自己主張する
子供がゐると、たちまち、ボスになれます。

 ジャイアンとして、自分らしく伸び伸び生きられる。

 ジャイアンだらけだと、ジャイアンをしてゐる楽しさは味はえません。
 殴ったら、相手も殴り返そうとしてくるから。
 「俺が俺が」「私が私が」で、いつも闘争。

 欧米はそんな社会ですね。個人が個人として生きると、どうしても、ギスギスするのは避けられない。
 それでも、自由を取る、っていふのが西洋流なのかも。

 そんな欧米から日本に来たら、
自分一人でジャイアンになれる。

 日本人は、のび太やスネ夫ばかり。
 殴ったら(つまり日本の日本人のここがダメあそこを直せと言ったら)笑ってる。

 外人だと思って電車に乗るとジロジロ見るからイヤになって日本から出ていったといふ人もゐるけど、印度人に対してなら、そんなことを言はないですよね。印度人のガン見ってすごくないですか?

 日本に来たら外人は「外人様として外人がいやがるやうなことは一切させない」と思って暮らしてゐる。日本ではそれがまかりとほるから。
 だから、かへって何かがどうしても外人様の思ひどほりにならないと腹が立って我慢できなくなるんだらうと思ひます。
 外人だからってびっくりしたり珍しそうに見るな!
 ってことで、つまりアメリカで暮らしてゐるみたいに、人種なんてまったく気にしない社会と国民、それを日本と日本人に求めてゐる。そして、さういふ要求が通らないと、閉鎖的だ国際化されてない差別してゐると怒る。
 
 ジャイアンって好き放題してゐるわりに、よく怒る。
 
 だから、外人が増えるにつれて、日本人はどうやったら怒らせないやうにできるか、真剣に考へ始めてゐますね。
 同時に、ジャイアントと一緒になって怒るといふ媚び方をする日本人も増えてきましたね。自分の住んでゐたドイツと比べると、日本の集団主義や閉鎖性が嘆かはしいらしい。

 これが国際化、多文化共生社会。

 二千年近く、国際社会から孤立して暮らして来た日本人。
 そのことが日本人にとって恥ずかしい悩みなんですよ。
 なんとか英語だけでもペラペラになりたーい。

 その「国際社会」ってユーラシア大陸のことだけど。

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