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誠意って何かね vol.1

このタイトルを見てピンと来た方はおそらく私と近い世代か上の方々。

この内容は気分を害される方もいらっしゃるかも知れないので、有料にしようかとも思いましたが、私サイドのストーリーも聞いてもらいたいと思い、そんなに多くの人が見ていない、こちらのnoteに備忘録として記録しておこうと思います。

私が経営するThe "A+" Personal Trainingは2016年5月に開業したので、今年(2024年)5月にマル8年。9年目を迎えました。全てゼロから始めたこのジムも、いよいよ10年目が見えてきた。長くなりそうなので、一応シリーズにしてみようと思う。前回上げた記事は2年前なので(マジか!笑)vol.2はいつになるか分からんけど。意外と早いかも。2年は掛からないはず。

開業当初、全てが手探りでした

最初は私一人でやりくりするつもりで始めたジムだったけれど、今は私を含めると全員で6名+1名のPTのトレーナー陣により、スッカスカだったカレンダーが懐かしく思えるほど、現在は多くのお客さまのトレーニングを指導させてもらっている。

最初一人で始めた頃、私にとっては縁もゆかりもない場所だったので、当然のようにオープン当初はお客さんはゼロ。セッションもゼロ。もちろん売り上げもゼロ。広告なんて打った事ないし、集客なんてどうやるか分からない。

座っていてもお客さんは増えないので、とりあえず店頭に立って声掛けしたり、チャリンコ乗ってポスティングしたり、物は試し、なんでもやってみた。ちなみに鎌倉・藤沢エリアのチャリンコポスティングはガチで辛い。坂がとにかく多いし、ポストが結構急な階段の上。それでも泥臭くなんでもやってみた。

そんなことやってたら、何が当たったのか分からないけれど徐々に体験→入会が増えてきた。そして開業して二年間、ほぼ休みなしでやっていたら、自分一人では抱えきれないほどのお客さんに来てもらえるようになった。振り返ってみるとその頃の自分にアドバイスしたいこともあるけれど、それはまたいつの日か。

そんな中、店の電話が鳴った。

簡単に言うとA+でトレーニング指導がしたい、パーソナルトレーナーとして働きたい、という採用希望者からの電話だった。

さぁ、困った。

何故ならこれまで自分一人でやっていく予定だったので、HPにとりあえずという感じでパーソナルトレーナー募集、と書いてはいたものの、採用の経験・知識が全く無い。

これまた物は試し。今振り返ってみると、もっとうまくやれた、これやっておけばよかったと思うことは多いけれど、自分一人では限界を感じていたジムに、自分が指導しなくても売り上げが上がる、というこれまでは味わったことのない経験が加わった。

雇ったことがない私にとって、私が作ったジムに別の人間が来てトレーニングを教えている、というのはなんとも言えない感情があった。

細かいことを振り返ると膨大な量になるので、割愛。

最初にウチでの活動を始めたトレーナー(以下K氏)は約3年ほど活動した後、オーストラリアに移住、現在はパースにいるとのこと。そして今回の主役となるH氏がA+に加入したのは、K氏がちょうど辞める頃だった。

ちょうど、K氏が担当していたお客さまの引き継ぎをどうしようか悩んでいた時だったので、まさに渡りに船。将来的には独立開業を目指したいとのことで、ゼロから立ち上げて現在に至る私の知識や経験など、シェアできるものは是非ともシェアしていきましょう、という感じで、まさに視界良好。

振り返ってみると、ここが肝のタイミングだった。基本的には「やりたい」と言われたことを実現させてあげたい私は、「まさかこんなことはしないだろう」という英語的な意味でのnaiveな対応をとってしまった。このタイミングで業務委託契約書の説明をもっと詳細にすべきだった。私が用意した契約書は私のジムを守るためには十分ではなかったことが今になって分かる。

パーソナルトレーニング業に限らず、属人的な商売をされておられる方は、自分の城を守るためにも、この業務委託契約書を士業の方(弁護士が一番良いかな)にお願いして、きちんとした物の作成&契約時の説明がお勧めです。言った言わないにならないためにも。

随分と前置きが長くなってしまったけれど、今回の本題。

2024年2月半ばのことだった。

H氏からLINEメッセージが来た。「お話ししたいことがあるので、お時間取れますか?」その時点では内容は分からないけど、文面だけでピンと来た。おそらく独立の話であろうと。

実際に話してみるとやはりそうだった。ただその時点では場所はまだ決まっていないとのこと。いつになるか分からないけれど、数ヶ月後の開業に向けて動き出したいと思います、とのことだった。

ただ問題だったのはこの時点で実は場所がすでに決まっていたのだ。


その際に私が話した内容を彼はどう受け取ったのだろうか。もちろん何も知らない私は、場所のアドバイスや開業前にやるべきことなど、色々と伝えた。何も知らない私が色々なアドバイスを与える姿は、彼にとっては相当滑稽であっただろう。

繰り返しになるが、この独立の意が伝えられた2月半ばの時点では、当然私は独立の意思以外は全く何も知らないことだったので、この時H氏に伝えたことは「場所や退所・開業の時期などが決まったらすぐに教えて欲しい」ということであった。しかし既に決まっていたのにも関わらず、この場ではH氏は何も言わなかった。当然である。常識では考えられないような場所に作ることを画策していたのだから。

そしてもう一つ伝えたのは

「今見ているお客さんを奪う行為は避けてもらいたい」

ということだった。

「ここで現在のお客さんたちに自分のジムの宣伝はしないようにしてください。今後、お客さんがH氏のジムを見つけて、そこに行きたいと言うのであれば、私に止める権利はもちろん無いけれど、積極的に奪う行為は避けてもらいたいです。そしてもし今後そういう行為が認められた場合には、色々とやらないといけないこともあるので、気持ちは分かるけれど、絶対にそういった言動は避けるようにしてください。」(LINEで送った文面、ほぼそのまま)

当然だと思う。他のジムに潜り込んで、そこのお客さんに直接営業をかけることなど、考えられない。パーソナルトレーニング業界に限らず、同業他社内で営業することなど、どの業界でもタブーなはずである。

場所が決まっていたのにも関わらず、言わない

これだけで何が起きていたかは想像に難くないが、私が伝えたことはH氏には全く伝わっていなかったようだ。はっきりと「やって欲しいこと」と「やってはいけないこと」を伝えたはずだったけれど、結果的には伝えたこと全てを覆された。

vol. 2に続く

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