言葉は剣よりも強し。だからこそ大切にしたい。
れんこんさんの記事を読んで、思い出したことがある。
もう4〜5年前の話。
私は自転車に乗って、交差点で信号が青になるのを待っていた。右折レーンを含む、片側3車線の大きな交差点だった。
やがて、信号が変わり、私は自転車を漕ぎだした。同じように交差点の反対側から、自転車でこちらに向かってくる20代前半くらいの若者がいた。
このまま真っ直ぐ進むと、若者の自転車とぶつかってしまう。私は避けたつもりだったんだけど、たまたま避ける方向が彼のそれと同じになってしまい、一瞬接触しそうになったのだが、間一髪、難を逃れた。
ほっとしたのも束の間、若者は「このクソババァ!」と言って、私の横を通り過ぎて行った。
ビックリして、振り返ると、若者も私のほうを振り返って、睨みをきかせながら、交差点の向こうに走り抜けていった。
正直、なんのこっちゃわからなかった。
自転車でぶつかりかけただけで、クソババァ呼ばわりされるとか、ホント意味がわからない。私だって、ちゃんと避けたじゃん。ちょっとタイミングが合わなかっただけじゃん。
私なら、「ぶつかりかけたけど、大丈夫だった!よかったー!」って、笑ってやり過ごせるようなことなのに、彼にとっては違ったんだね。
すごく怖いなって思ったのが、若者の発した言葉に、めちゃくちゃ悪意が込められていて、私の心臓をグサリと刺したこと。あのときの睨みを利かせた視線同様、磨かれた矢のように鋭かった。
名も知らない通りすがりの誰かの心を、たった一言で、たった一瞬で、これほどまでに深く突き刺すことができるんだなって、実感したできごとだった。
たまたま私の心が弱かっただけなのかもしれない。別の日に、同じようなことが起こっていたら、なんとも思わなかったのかもしれない。
だけど、ぶつかりかけた自転車と同じく、何事にもタイミングがあって、ほんの些細な一言でも、剣より何万倍も強くなる可能性があるってことを、忘れてはいけないと思った。
れんこんさんが受けた暴言に比べたら、本当にしょーもないことかもしれず、恐縮なのですが。
何年経っても、あのときの感情や若者の表情が忘れられず、いまみたいに、ふとした瞬間に蘇ります。
こうして自分の思いを表現する以上、誰ひとり傷つけないということは無理なのかもしれないけど、最大限の注意を払うことは必要だなって、あらためて感じました。
言葉を武器にするのではなく、感謝や幸せを伝えるものとして、大切にしたい。
強く思っています。
ではでは、またー!
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