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電界怪異図鑑:【殺人予報】

【殺人予報】

怪現象:予知・予兆
恐怖レベル:★★★

深夜、ひっそりと丑三つ時を迎えた部屋に響くのは、通常の放送とは一線を画す異様なニュース番組「殺人予報」の冷たく静かなアナウンスです。
この番組は、未来に起こる殺人事件を「予報」として報告し、あたかも天気予報をするかのように、犯人のプロファイルと予定される犯行方法を詳細に紹介します。

「殺人予報」が放送される条件は極めて特異で、殺人が起きた部屋にあったテレビからのみ視聴可能です。ただ、必ず放送されるというわけではなく、視聴には解明されていない何らかの要素が必要とも言われています。

番組では、予定された殺人の犯人の顔と特徴が掲載され、その犯行の手口が詳細に予測されますが、現代ニュースがそうであるように、名前は配慮して伏せられています。
不穏な音楽とともに、殺人の動機や背景が、あたかも気象現象を解説するかのように冷静に伝えられるセグメントは、視聴者に強い不安を植え付けることでしょう。

さらに、この番組には「殺人犯のなぜなに解説」というコーナーがあり、犯人の心理状態が分析されています。視聴者がその心理を推理するクイズ形式で進められるこのパートは、番組に対する不気味なインタラクティビティを付与しており、視聴者を犯行の背後にある深淵なる心理に引きずり込むのです。このコーナーにおいては、単なる情報の提示にとどまらず、視聴者が犯人の思考に共感したり、理解したりすることを促すような内容が含まれており、それがまた新たな恐怖を誘発する要因となっています。
ちなみに「殺人予報」が予言する未来の犯罪は、しばしば現実のものとなりますが、その発生確率は100%ではないのだとか。

それでも「殺人予報」を警察に通報すれば、ある程度殺人犯罪を防げるのでは?
そう考える人は多いですが、奇妙なことにその試みはまったくうまくいきません。どうもこの番組は、警察関係者には一切視認されないようなのです。例え情報を第三者が伝えようとしても、まるで夢のように記憶が曖昧になり、内容を思い出せなくなってしまうと言われています。
このことから、この怪現象は何らかの意図の基、警察機関以外に殺人の情報を伝えているとされていますが、その目的は未だ判明していません。

海外のオカルト雑誌「WOSTERN OCCULTIST」の特集記事

インターネット上では、「殺人予報」は都市伝説の一つとして語られ、実際に番組を目にしたとする人々の証言が交錯しています。多くの好奇心旺盛な者たちが番組の録画に挑んだものの、番組を物質的な形で証明する成功例は今のところ確認されていません。

「殺人予報」は海外でも見られる怪現象で、80年代には海外のオカルト雑誌「WOSTERN OCCULTIST」に特集されたこともあります。世界中のオカルト研究家や陰謀論者たちによってその存在は議論され、一部には熱心なフォロワーを持っています。番組の不可解な犯罪予測能力に関する詳細な記事は、学術的な探究心と好奇心を刺激し、その超自然的な現象についての新たな論争を巻き起こしました。

「殺人予報」が何らかの放送事故なのか、はたまた目的を持った超自然的なメッセージなのか、それを知る者はまだ現れていません。しかし、その存在は私たちの認識の範囲を超えた恐怖と神秘に満ちたものであり、未だ多くの謎に包まれたまま、怪しいテレビの都市伝説として語り継がれています。

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