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経営×ファイナンス

【読む背景】
新たにM&A,事業再生,PEファンドの領域に足を踏み入れることになるので、業界の構造や具体的な業務内容、キャリアの道筋などを頭にいれておきたかったから。

【感想】
全体として期待していた通りの情報量が詰め込まれていた。
本全体を通して、非常に学びになる箇所と、そうでもない箇所の濃淡がはっきりしていた。
特に学びになったのは、図を用いて説明してくれている箇所である。
50pの「経営×ファイナンス業界」エコシステム概念図は各プレイヤーの動きを俯瞰するうえで貴重である。55、65、75pのM&A、事業再生、PEファンドについてのそれぞれの業務プロセスにつていの図も、単にプロセスが細分化されるのみならず、各フェーズで必要となる担当者様のスキルセットを掲載しているのが良かった。
あえていうと、その他のページ(1章やインタビューの項目)はやや内容薄だった印象。
ただ、総じて今私が知るべき情報を知ることができた。

【印象に残った箇所】
p4
時代の変化に強く、汎用性の高いスキルとして「経営×ファイナンス」という能力を提示します。
(中略)
我々が「経営×ファイナンス」という能力を取り上げる理由は、事業目標の設定、計画策定、チームをモチベートしながら組織を前進させる経営力と、資金の調達、最適配分を行いながら、予実を管理しキャッシュを最大化するファイナンス能力は、組織を運営するために必須の能力であり、また、資本主義の中心的機能だと思うからです。

p5
これらの能力を組織に所属しながら最も効率的に高められる業界として、M&A、事業再生、PEファンドという3つの業界を取り上げます。

p68
PEファンドの採用責任者と話しをしていると、「投資銀行出身者はファイナンスは強いが、事業理解が弱い傾向にある」一方、「戦略コンサル出身者は基礎能力が高いし、事業面に強みがあるので素晴らしいが、ファイナンス面が弱い人が多い」という会話になることがあります。こうした観点からすると、事業再生コンサル出身者は、事業と財務の双方の経験を積んでいるうえに、とにかくタフに、最後までやりきる力がある。

p178
この仕事はビジネス、会計、法務、人間心理、コミュニケーション能力、人格、さらには歴史や宗教などの教養力も含んだ人間としての総合力を高められる仕事です。
(M&Aアドバイザリーについて:PwCアドバイザリー合同会社 福谷パートナー)

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