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実るほど頭を垂れる稲穂かな

今日で平成が終わり、いよいよ明日から令和が始まります。在位期間中常に国民の幸せを祈り続けてこられた天皇陛下には、一国民として、心から感謝の意を申し述べたく思います。

天皇陛下は、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という諺を体現されています。自ら、象徴天皇とはどうあるべきかを自問自答してきたと語られているように、謙虚でいつくしみ深いその立ち居振る舞いも、考え抜かれたうえでの所作だったに違いありません。最も高い地位にある人が、誰よりも慎み深く振舞う。行動規範や価値観という点で、天皇陛下は、日本国民を象徴されてきたのかもしれません。

最も高い地位にある人が、その地位に相応しい振舞いをする。日本で長く受け継がれてきた伝統です。

もちろん人間のすることですから、相応しくない振舞いをする人もいたでしょう。武士道では、押し込めといって、行儀の悪い主君から家臣が強制的に権力を奪い、場合によっては隠居させることも行われていました。押し込めによって主君を隠居させた場合は、嫡男や親族から新たな主君を選任しました。日本社会では、高い地位にある人には、その地位に相応しい立派な振舞いが求められてきたのです。

企業社会でも、副社長の頃は豪胆な発言をしたり、自分の担当外の部門を責め立てたりしていた人が、社長になった途端、これまでの威勢の良さを封印し、温厚で無難な発言をし始めることがあります。相応しい振舞いとは何かを考えると、どうしてもバランスを考えるようになってしまうからでしょう。日本式のトップを戴く日本式の大企業が変化の激しい時代に乗り遅れがちなのには、このあたりの事情も関係しているのかもしれません。

ぼくたち日本人は、幸いにして、謙虚でいつくしみ深い素晴らしい天皇陛下とともに平成の時代を歩んでくることができました。皇太子殿下もまた、夫君のように立派な天皇になられることでしょう。人それぞれ社会的地位は異なるかもしれませんが、同じ日本国民として、謙虚さと感謝の気持ちを忘れずに令和の時代を過ごしていきたく思います。

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