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列子の探し求めた自由

列子は謎に満ちた人物です。
紀元前400年頃に鄭の国に生まれています。
(河南省の黄河の南側です。)

鄭の国は周王室を補佐する有力な諸侯ではあったものの、春秋時代の荒波に飲まれていきます。

鄭の国は、後継争いを繰り返して、力を落としていくわけですが、隣には晋と楚という大国に挟まれていましたから、紀元前375年に滅ぼされてしまいました。

つまり、列子は自らの国が滅亡していく様を見ていったということです。

列子は荘子の話にも出てきます。
自由な様を大きな鳥である鵬として表現し、そんな高く飛び上がる鵬をそんなことしなくて良いではないかと雀があざけるという話があります。

大と小の話なのです。
知識を持って役人になろうが、実績をあげようが、君主に認められて大臣になろうが、雀と同じであると考えたわけですね。

列子も鵬にならい、軽やかに空を飛びますが、風向きが変われば地上に戻ってくると考えました。

大きな翼を持った鵬ならば、地上に縛り付けられることは無かったけれども、空を飛ぶというのも風の力によるものであるから、風に縛り付けられていて、結局、真の自由では無かったということです。

自然に身を委ねて、変化に応じて対応するものが真に自由というのですから、神の意志の重要性というものを改めて感じますね。

自由というものを考えると各地の思想で出てくるのが自然というものです。
自然を知るということはキーワードのようですね。
多くの思想は根っこでつながっています。
そういう根っこの部分を知ることは見えない世界においても重要ですから、背景も一緒に学んでいくことが大切です。


これからも良い記事を書いていきます。